ブラジルW杯アジア地区3次予選、ホームのタジキスタン戦(10月11日、大阪長居スタジアム)とその前哨戦となる親善試合ベトナム戦(7日、ホームズスタジアム神戸)に向けた日本代表メンバー23人が発表された。右肩脱臼のため招集が見送られていた長友佑都が6月のキリン杯以来、名古屋グランパスで調子を上げている藤本淳吾が3月のチャリティーマッチ以来の復帰を果たしたが、初招集はゼロ。“ノーサプライズ”の人選となった。
ただ、タジキスタンを相手にどう戦うのか、アルベルト・ザッケローニの考え方は見えてきた。
トップ下で北朝鮮戦に先発した柏木が落選し、中村が復帰した意味。
注目したいのは、9月のW杯アジア地区予選2連戦(北朝鮮戦、ウズベキスタン戦)の間ケガによってチームを離れていた中村憲剛が引き続き名を連ねたのに対し、トップ下で北朝鮮戦に先発した柏木陽介が落選したこと。これは、ケガで長期離脱中の本田圭佑に代わるタジキスタン戦のトップ下候補として中村憲剛を想定していると言っているようなものだ。
前回のコラムでも書いたが、9月の2連戦で苦戦した要因は本田の不在と無関係ではない。相手を背負っても動じないキープ力から個で仕掛けたり、ワンタッチプレーでスピードアップしたりと緩急を使える本田の役割を、“代役”にもチームは求めてしまった。そのため、本来、ポストプレーを得意としていない柏木、長谷部誠がトップ下でうまく機能しなかった。
タジキスタンという相手を考慮しながら、“代役”の特徴にチームが合わせるのか、それとも、あくまで本田に似たタイプを起用するのか。
ザッケローニが出した答えは「後者」だった。右足親指付け根部分を骨折し、試合に復帰してからまだ2週間しか経っていない中村憲剛に対する執着がそれを物語っている。
戦術の形を変えて対応するか? 選手を代えて対応するか?
指揮官はメンバー発表の会見の席で本田不在の対処を聞かれて、こう応じている。
「1つは形を変えて対応するか、もう1つは選手を代えて対応するか。ただ、選手を代えると言ってもまったく同じ選手がいるわけではないので、状況を見ながら見極めていくしかない。私の手元にいる選手たちが能力を最大限に発揮できるようにピッチに送りこむことが私自身の仕事だと思っているので、そこに徹したい」
形を変える、すなわち4-3-3、3-4-3へのシステム変更も示唆しているが、ベースに置いている4-2-3-1が今のところファーストチョイスと見るのが自然だ。
そして、クローズアップされるのがトップ下である。
長谷部に関しては、遠藤保仁とのダブルボランチを今さら崩すとは思えないので「ない」と言い切っていい。また、指揮官が2列目のサイドでの起用にこだわってきた香川真司をスタートからトップ下に持ってくることも考えにくいし、「サイドと真ん中の両方でプレーできる」と指揮官が会見で評した藤本も基本はサイドのプレーヤーである。家長昭博も招集されなかった。そうなると、トップ下には中村以外考えられないのである。
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