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今年の鈴鹿8耐はベテラン勢に注目。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2006/08/03 00:00

今年の鈴鹿8耐はベテラン勢に注目。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 WGPの最高峰クラスで、通算4勝、総合2位という日本人最高記録を残し、引退後、所属していたHRC(ホンダ・レーシング・コーポレーション)で若手の育成に努めていた岡田忠之が現役復帰を果たした。正確に記せば、すでに今年の2月、HRCのテストライダーとして復帰し、マシン開発のためにテストコースやサーキットを走り始めている。

 それから約半年。現役時代の走りを取り戻した岡田が、今年の鈴鹿8時間耐久レースに、ホンダのワークスチーム「セブンスター・ホンダ」から出場することになった。ペアを組むのは、モトGPクラスに出場している玉田誠。岡田は8耐出場が正式にアナウンスされた7月上旬、鈴鹿で行われた8耐合同テストで、2日目のJSBクラストップタイムをマーク。一線を退いて5年、39歳になった彼の速さに注目が集まった。

 現役時代は全日本ロード250ccクラスで3連覇を達成し、その後WGP250ccと500ccに参戦。500cc時代には、ホンダ・ワークスで5連覇を達成したM・ドゥーハンのチームメートとして活躍し、'01年を最後に引退。英国選手権で活躍する清成龍一をはじめ、ホンダの若手の育成に力を注いできた。その岡田が、これまで指導してきた若い選手たちと遜色ない走りを披露したのだ。

 岡田は速さの要因を「連日のようにモトGPマシンのテストをしている。モトGPマシンの開発は、現役ライダーに近いタイムで走行しなければ意味がないですからね」と語った。乗りこなすのに高度なテクニックが要求された2ストローク500ccマシン時代の選手だけに、何もかもが電気でコントロールされる4ストロークマシンは、あまりにも「乗りやすい」バイクなのかもしれない。

 今年の8耐は、全日本チャンピオンの伊藤真一、世界耐久チャンピオンの北川圭一など、岡田と同世代の選手たちが注目を集めている。ベテランが速いのか、若手が育っていないのか。そんな問いかけに、岡田は「確かに育っていない。僕たちの時代は競争が激しかったからね」と、時代背景の違いを上げた。岡田の現役復帰とその速さは、日本のレース界の現状のあり方を問う、いいテーマなのかもしれない。勝てば3回目。もちろん、史上最年長記録となる。

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