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WSBライダーたちの意地と実力に注目。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2006/08/31 00:00

WSBライダーたちの意地と実力に注目。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 WSB(スーパーバイク世界選手権)に参戦している芳賀紀行が、素晴らしい活躍を見せている。8戦を終えて総合2位。芳賀はこれまで何度もタイトル争いを経験してきたトップクラスのライダーだが、今年もその力をいかんなく発揮している。速さだけではなく、その豪快な走りで人気も高い。今年、海外で活躍するライダーでは、一番の注目度かもしれない。

 芳賀はこれまで2度、MotoGPクラスに挑戦している。もちろんWSBの実績を買われてのことだが、いずれもいいマシンに恵まれず苦汁を味わった。芳賀に限らず、WSBからMotoGPに挑戦して挫折したライダーは多い。そのたびにWSBのライダーはMotoGPでは通用しないといわれてきた。今季、芳賀とチャンピオン争いをしているドゥカティのエース、T・ベイリスもそのひとりである。

 しかしこの数年、そんな状況に変化が起きている。WSBよりレベルが高いといわれるMotoGPからの移籍組が決して好成績を収めているとはいえず、その一方で、WSBからMotoGPにスイッチしたC・バーミューレンがスズキで頭角を現している。すでに「定説」は崩れ始めているのだ。

 WSBはいま、すべてのバイクがピレリタイヤを使用するワンメイクレースとなっており、ライダーのテクニックが勝敗に大きく影響する。そのため、比較が難しいMotoGPとWSBという両カテゴリーの選手たちの実力が、想像以上に接近していることが明らかになった。

 WSBには、世界中の様々なカテゴリーから選手が集まってくる。日本からは、芳賀を筆頭に4選手。今季2勝をあげている加賀山就臣は、英国スーパーバイク選手権からWSBへ。阿部典史はMotoGPから、ルーキー中冨伸一は全日本からWSBに参戦している。若手とベテラン、MotoGPを目指す者。そして、挑戦して挫折した選手など多彩な顔ぶれが揃う。芳賀は「どんなに頑張っても、いいバイクに乗れなければトップ10にも入れない。そして実力だけでは乗れない」とMotoGPを振り返る。それに比べると、頑張れば優勝もチャンピオンも狙えるWSBが、ライダーにとってもファンにとっても、面白くないわけがない。

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