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今田竜二はアメリカでなぜ生き残れたのか。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2009/01/16 00:00

今田竜二はアメリカでなぜ生き残れたのか。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 昨年末、フロリダ州タンパに行った。寒い冬の日本と違って、太陽が照りつけ、肌が焼ける暑い冬だった。今田竜二に会うためである。

 取材で4日間一緒に過ごした。彼を評して、なるほど丸山茂樹が「ワンランク上のゴルフ」と言った意味がよくわかった。それは単にスイングの精度やテクニックだけではない。米ツアーでは、一打にシビアな勇気と決断を迫られる状況が、日本のコースよりも圧倒的に多い。つまり難しい。かつてマスターズで金子柱憲がこう言っていた。

 「グリーンがとてつもなく難しい上に、ピンの位置がさらに厳しいところに切られている。ちょっとミスすれば、ダブルボギーになる。そのリスクを避けて安全な場所を探して狙えば、パーがやっとで下手をすればボギーもある」

 ゴルフはミスのゲームで、すべて完璧なショットは望めない。アイアンでグリーンを攻めていくときも、その番手で前後左右のズレ幅の許容範囲を考えないといけない。例えば半径5mを許容範囲とすると、ピンが真ん中なら大丈夫でも、グリーンの左端近くなら、左側の一部が許容範囲から外れてしまうわけだ。ということは、まずまずのショットを打っても、ダブルボギーの可能性が増す。だから怖い。勇気がなくなる。切羽詰まった状況が、毎回続くのが米ツアーである。

 そんな米ツアーの日常を今田はこう受け止めている。

 「自分の技量、ショットの精度で想定した許容範囲内に危険ゾーンがかぶるならば、これは仕方ないことで、それを解った上で狙うしかないのです。そこでダブルボギーになる可能性があっても、狙わなければいいスコアに結びつかないし上位にはいけませんからね。その結果、危険ゾーンに行ってしまえば、なんとかボギーで、運よくパーで納める努力をするしかないでしょう」

 この勇気と決断、それを補う技量が米ツアーで生き残れるか、勝てるか否かにつながる。

 今田は2008年、AT&Tクラシックでツアー初優勝を果たした。年間賞金も300万ドル以上稼ぎ、ランキングは日本人選手では最高位の13位でシーズンを終えた。僕は、今年の彼をずっとマークしていたい。

■関連リンク► 広島生まれの米国育ち、今田竜二をご存知か。 (2006年6月8日)

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