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「夢はマスターズ」と言えるようになった。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2009/02/12 00:00

「夢はマスターズ」と言えるようになった。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 石川遼が、マスターズから特別招待を受けた。これで今年のマスターズに出場する日本人選手は、今田竜二、片山晋呉の3人となった。

 この3人は、ゴルフを始めた小学生のころから「夢はマスターズ」という目標があった。今田はマスターズのテレビ中継を見て、14歳で渡米を決心したし、石川も「20歳になったらマスターズで勝ちたい」と作文に書いていた。

 実は、これまでマスターズに出場した日本人で「小さい頃からマスターズが夢」と言った選手は、意外に少ない。世代でいえば丸山茂樹以降になる。それもそのはずで、マスターズがテレビ中継されたのは、1973年に尾崎将司が東洋人初の8位になってからだ。それも大会後に録画放送の権利を買っての放送だった。

 1975年。ちょうどタイガー・ウッズが生まれた年だが、初めてゴールデンタイムで中継し、その後、早朝のリアルタイムで衛星中継になった。

 したがって、この頃に生まれ、幼い時からゴルフを始めた日本の選手たちは「マスターズに出たい、勝ちたい」という夢を持ちやすくなったのだ。

 ニック・ファルドにインタビューしたときも「マスターズでジャック・ニクラスが優勝争いしているテレビを見て、ゴルフを始めた」と言っていたし、グレッグ・ノーマンも、同じようなことを言っていた。

 尾崎将司に「なんで日本選手が世界のメジャーになかなか勝てないのか」と聞いたことがある。尾崎は、こう答えた。

「小さい頃から、俺の夢は甲子園だった。日本一になりたいってね。その当時、メジャーに行きたい、世界一になりたいなんて夢は考えられなかった。世界一になりたいという夢を持っている志とは違うだろ」

 それがあてはまるかどうか解らないが、今田は、広島・尾道の駅で両親と別れ単身で渡米したとき「夢のアメリカでゴルフができると思ったら、別にさびしさとか不安はなかった」と言った。

 今年のマスターズが面白いと思うのは、3人とも「マスターズが夢」と抱き続けてきた選手が出場することだ。

 片山は「日本人選手がメジャーで勝てるとすれば、マスターズ」と言った。3人が、どう戦うか楽しみである。

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