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42歳、工藤が見るメジャーという初夢。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byHideki Sugiyama

posted2005/02/03 00:00

42歳、工藤が見るメジャーという初夢。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

 「優勝に貢献して日本一になれば最後の最後で自分の夢を叶えてもいいと思う。最高のレベルでやりたいという夢を持っていないと、この年齢まで緊張をたもてない」

 巨人・工藤公康は5月で42歳になる。西武に入団した頃のやんちゃ坊主ぶりからするとずいぶん大人になった。本人も、若い時にむちゃをやったから今になって肉体の大事さがわかる、と昨年のキャンプの休日にしみじみ語っていた。工藤は'94年と'99年の2回、FA権を行使している。恩師の根本陸夫(故人)への思いからの行動だったが、年俸は上がり、周囲の人間からは“FA成金”と呼ばれたりもした。次にその権利を使うとすれば、夢を追うためにということになる。

 入団当時はストレートとカーブだけのピッチャーだった。兄貴分の東尾修は渡辺久信と工藤に「真っ直ぐが通用するうちに別の球を憶えておけ」と口を酸っぱくして言っていた。渡辺がストレートにこだわったのに対し、工藤はスライダーをマスター。ダイエー時代にはシンカーを遊び球に使い、巨人では、それが武器になっている。昨年200勝という大きな目標を達成してからは、メジャー挑戦のためにフォークを研究し始めた。工藤より2歳年下ながら先に引退し、西武の二軍の投手コーチに就任した渡辺も「工藤さんの姿勢を若い連中に伝えたい」と話していた。

「真っ直ぐの威力がなければ、変化球で三振は取れない」と言う工藤にとって“若さのバロメーター”は三振奪取率。ボーダーラインは8点台で、'03年は8.85で昨年は8.31とまだまだ若さをたもっている。そんな工藤はアリゾナのフェニックスにある「フィッシャースポーツ・フィジカルセラピー&コンディショニング」で年明けを過した。ここではメジャーのスタープレーヤーたちもトレーニングしていて、工藤も同じメニューをこなした。それを見ていたR・ジョンソン(ヤンキース)も担当するM・マッケニートレーナーから「ジョンソンよりも若い」と絶賛された。西武で工藤の治療を担当した平吉一弥トレーナーも「工藤の筋肉はマシュマロのよう」と言っていた。

 工藤の夢は、5人いる子供の4歳の末っ子が野球が分るようになるまで現役を続けること。それがメジャーでということになるだろうか。

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