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表舞台に見事返り咲いた、
歴戦の猛者・箕内の提言。
~ラグビー日本W杯に向けて~ 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2011/03/03 06:00

表舞台に見事返り咲いた、歴戦の猛者・箕内の提言。~ラグビー日本W杯に向けて~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

早大戦で2トライをマークした箕内。代表戦45試合で主将を務め、48キャップは歴代5位

 長い腕を広げて、チームを落ち着かせる姿には、観戦する側まで包容力が伝わってくる。ピンと伸びた背筋。ピッチを圧する存在感。日本代表主将として2度のW杯を戦った箕内拓郎が、秩父宮のピッチに帰ってきた。

 昨春、NECからトップウェストのNTTドコモへ移籍するや、チームはリーグ戦、トップリーグ昇格をかけたチャレンジシリーズを全勝の快進撃。初出場の日本選手権では1回戦で才能集団・早大を66対43で叩きのめしてみせた。

 圧巻は早大が2点差に迫った後半26分だ。早大ゴール前の密集から、箕内は2人のタックルを強引に突き破った。

「あの場面で、箕内さんは3回もボールを拾って突破してる。勝負所でホンモノが出てきたな。さすが、ゲームの流れを知ってるな」と唸ったのはNEC時代の後輩、早大の辻高志監督だ。トイメンで戦ったNo.8有田隆平主将は「ボールを持ったら必ずゲインする」、次期主将のFL山下昂大は「ワークレートが高くて、プレーが1回で終わらない。すごく勉強になった」と、英雄との初対決を振り返った。未来の代表を担う才能たちに、この80分間は貴重な財産になったはずだ。

「トップリーグは20チームくらいに増やした方がいい」

 ドコモのメンバーは、大学選手権の1勝さえ経験していない無印組が大半を占めるが、箕内は「来てみたら、予想以上にいい選手が多かった」と言う。同時に、下部リーグで過ごした1年間で、今まで見えなかったものが見えてきた。

「入れ替え戦はあっていいけど、2チームが自動降格するシステムは酷だと思う。強化にはどうしても時間が必要だけど、現状ではトップリーグに昇格しても1年で降格して、そのまま強化をやめてしまうチームもあるし、そうなると学生も、絶対に落ちない東芝やサントリーに集中する。僕は、トップリーグは20チームくらいに増やした方がいいと思うんです。そして自動降格がなければ、ケガを怖がらずにBチームのリーグ戦もやれるはずだし、選手も分散して経験値も高まる。2019年のW杯に向けて、ラグビーに携わるチームを増やして、ラグビーを支える企業やファンの力を結集しないと」

 来季は36歳。だが、再び最高峰リーグでプレーできることに胸は高鳴る。

「40歳でやってる先輩(東芝・松田努)もいるし、僕はまだ若い方ですよ(笑)」

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