SCORE CARDBACK NUMBER

小山知良の無念に、
日本勢の未来を憂う。
~WGP125の仁義なきシート争い~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2011/02/22 06:00

小山知良の無念に、日本勢の未来を憂う。~WGP125の仁義なきシート争い~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 今季、タイトルを期待されていたWGP125ccクラスの小山知良がGP参戦を断念、スペイン選手権に戦いの舞台を移すことになった。契約更改する予定だったレーシングチーム・ジャーマニーが、小山に対して資金持ち込みを求めたため破談となってしまったのだ。

 昨季の小山は、ドイツGPの2位を最高位に総合8位。アプリリアの最新型RS125RSAが全盛を誇っているなか、旧型のRSWで大健闘。トップ10ではただひとりのRSWユーザーとして高い評価を受けていた。

 そのため、チームも小山の続投を明言。今季は最新型RSAを投入することで話し合いが進んでいた。しかし、同クラスで総合7位のS・コルテーゼが、これまで所属していたチームが消滅したため、急遽、スポンサー持ち込みでレーシングチーム・ジャーマニーに移籍した。持ち込んだ資金は20万ユーロ以上といわれる。そのため同チームは、小山に対して35万ユーロの資金持ち込みを要求し、交渉は決裂してしまった。

モトGPにくらべスポンサー獲得が難しい125ccクラス。

 レーシングチーム・ジャーマニーはGPではキャリアの短い新興チームだが、小山の活躍で125ccクラスのトップチームに仲間入りした。そのお陰でランキング上位のコルテーゼをスポンサーつきで獲得できた。皮肉にもそのことが、資金持ち込みなしで契約更改寸前だった小山に無理難題をつきつける格好となってしまった。モトGPクラスに比べて、モト2、125ccクラスはスポンサー獲得が難しい。多くのチームがライダーの持ち込む資金で運営しているが、小山はそういった仕組みの犠牲者となった。

 小山の参戦断念という残念なニュースと裏腹に、昨年までスペイン、イタリア選手権に出場していた尾野弘樹の125ccクラス参戦が決まった。しかし、イタリアのチームから出場する尾野もまたスポンサー持ち込みが条件で、不安定な立場に変わりはない。

 モトGPクラスでさえ、日本のバイクメーカーのサポートがなければ、シート獲得はほぼ不可能な時代。メーカーのサポートがない125ccクラス、モト2クラスの状況は一段と厳しい。小山の交渉決裂は、スポンサーを獲得できない日本人ライダーの厳しい現状を、あらためて浮き彫りにすることになってしまった。

■関連コラム► チャンピオンチーム移籍で高橋裕紀に高まる期待。~モリワキでモト2制覇を目指す!~ (10/12/22)
► 世界最小GPライダーが、いよいよ本領発揮。 (07/05/17)

関連キーワード
小山知良

ページトップ