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スペインに押し寄せる
カタールマネーの波。
~変貌する世界サッカー勢力図~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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posted2011/02/06 08:00

スペインに押し寄せるカタールマネーの波。~変貌する世界サッカー勢力図~<Number Web> photograph by AFLO

 サッカー界におけるカタールの勢いが止まらない。

 2022年のワールドカップ開催に続き、アジアサッカー連盟本部をマレーシアからドーハに移転する計画も明るみになるなど、中東の小国は急激に力をつけつつある。

 その勢いはW杯で優勝し、サッカー界の頂点に立ったスペインにも及んでいる。

 昨年12月にはバルセロナがクラブ史上初めてユニフォームの胸にスポンサー名を入れることを決定したが、そのスポンサーもカタール財団という民間団体で、契約金は年間3000万ユーロにも及ぶ。ちなみにこれに対し、ご意見番ヨハン・クライフは「バルサはもはや“クラブ以上の存在”ではない」と痛烈に批判。ソシオの意見も真っ二つに分かれるなど波紋を呼んでいる。

 これを受け、バルセロナの地元紙「スポルト」はカタールに記者を置くことを決定。中東最大のTV局「アルジャジーラ」の記者と契約し、現地から日々ニュースを送ってもらうという。

巨大クラブにとってもカタールの財力は大きな魅力。

 ほんの数年前までカタールとスペインサッカーの接点など皆無で、スペインのスポーツ紙がカタールに記者を置くことなど想像すらできなかった。しかしサッカー界のパワーバランスが変貌する中で、スペインの目も中東に向きつつある。

 水面下ではレアル・マドリーもカタール財団との契約を狙っていたとも言われているように、巨大クラブにとってもカタールの財力は大きな魅力となっている。2強に財政面で及ばない中小クラブにとってはなおさらだろう。

 スペインを襲う不況の波はサッカーにも達しており、財政難に苦しむクラブは多い。家長昭博が移籍したマジョルカは、昨季の躍進でヨーロッパリーグ出場権を獲得したが、多額の負債により欧州サッカー連盟から出場権を剥奪されている。

 先日はエルクレスのドレンテへの給料未払い問題も明らかになったが、下部リーグではそれらは日常茶飯事。負債が膨らんだ3部リーグのオビエドとハエンはクラブ消滅の危機に瀕しているほどだ。

 不況にあえぐスペインサッカーと、豊富なオイルマネーを背景に勢いを増すカタール。バルサ以外のユニフォームの胸にカタール企業の名が見られる日もそう遠くはないかもしれない。

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► <カタール探訪記> 世界一退屈な街の世界一贅沢なフットボール。

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