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新春高が可能にした、
東龍の変化とリベンジ。
~春高バレー女子決勝を読み解く~ 

text by

久保大

久保大Masaru Kubo

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photograph byRyu Makino

posted2011/02/01 06:00

新春高が可能にした、東龍の変化とリベンジ。~春高バレー女子決勝を読み解く~<Number Web> photograph by Ryu Makino

キャプテン村田しおりは攻守の要として、MVPを獲得。Vリーグの久光製薬に入団する

 新しく生まれ変わった春高バレーの女子決勝は、東九州龍谷(東龍)の春高四連覇で幕を閉じた。

 3月に開催されてきた春高は、1月に移ることで3年生の出場を可能にし、インターハイに冠していた全日本高校選手権のタイトルも移して、名実ともに日本一を決める大会にリニューアルした。

 決勝の相手は、インターハイ、国体を制し、三冠を目指す古川学園。昨年3月の旧春高は東龍が、10月の国体は古川が勝った。岡崎典生・古川監督と相原昇・東龍監督は日体大バレー部の同級生でもある。手の内を知り尽くした攻防を分けたのは、「変化」だった。

 昨年度の三冠チーム東龍は、8月のインターハイ準決勝で敗れ、全国大会の連覇が止まった。国体でも古川に敗れたことで、相原監督は、これまでの高速コンビバレーだけでは勝てないことを悟った。東龍は村田しおり、鍋谷友理枝の両レフトが高速トスを高い技術で打ち分ける。しかし、秋の国体では、双子の大野果歩、果奈を中心とした古川の高いブロックで村田、鍋谷が囲まれ、封じられた。

国体で負けたことで、変わらざるを得なかった東九州龍谷。

 今大会、相原監督は、ライトに高さのある選手を起用し、新たに鍋谷のバックアタックも取り入れた。当然、変化にはリスクがともなう。事実、第1セットを失ったのも、バックアタックのミスによる4失点が原因の一つだったが、「あれは必要だった」と相原監督は言う。変化の狙いは、レフトに集中していたブロックの分散。セットが進むにつれ、古川はブロックの的を絞れなくなっていった。東龍のセンター、ライトの3人の決定率は40%を超え、計33得点を叩き出した。

 守備面では、3種類のフォーメーションを使い分け、古川のエース大野果歩を3得点と全く仕事をさせなかった。第4セットは25-14。完全に「詰み」だった。

 国体で負けたことで、変わらざるを得なかった東龍。高校生離れした対応力、戦術理解力がもたらした優勝は、1月開催の新春高だからこそ可能になった。

 三冠を逃した古川にも一言。岡崎監督はあえて育成と勝利の二兎を追った。182cmの大野果歩、177cmの佐々木美麗ら大型選手をサーブレシーブに入れ、育ててきた。4人がVリーグへ進む。今回叶わなかった監督への恩返しは、Vリーグで活躍することで果たされる。

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