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内田篤人が語る鹿島復帰から半年。
「今の状況に満足してないから」

posted2018/08/01 08:00

 
内田篤人が語る鹿島復帰から半年。「今の状況に満足してないから」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

右膝にテーピングを巻きながらも健在な内田篤人。その立ち居振る舞いから、鹿島の若手が感じるものは大きいはずだ。

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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J.LEAGUE

 7月28日、大阪、吹田スタジアム。内田篤人は初めてそこに立った。

「ピッチとスタンドがとても近いし、いいスタジアムだね」

 この日、内田はリーグ戦では5月2日対長崎戦以来の先発出場を果たした。3日前にセレッソ大阪戦を戦ったばかりで、今後も連戦が続く。それもあって大岩剛監督は内田を起用し、選手を休ませようと考えたのだろう。

 ワールドカップによる中断期間が空けたJリーグ、鹿島アントラーズは再開後に快進撃を見せている。前半の15節(鹿島は1試合未消化)までで、5勝3分6敗・12得点16失点で11位だった。しかし、7月11日の天皇杯3回戦・町田ゼルビア戦を5-1で大勝。それ以降リーグ戦では磐田と3-3で分けると、柏戦は6-2、未消化分のC大阪戦を2-0と勝利し、この時点での順位を7位に上げた。

 そして迎えたガンバ戦。鹿島は立ち上がりこそ優勢に試合を進め、前半終了間際に先制点を決めたが、後半はミスで自らその流れを手放すと、70分に同点に追いつかれる。その後もガンバの勢いを受ける時間が長く続いた。

今日は90分いけたと感じている。

 そこで、右MFに西大伍を投入した大岩監督にもさらに動く。80分過ぎのことだ。内田に代わって、伊東幸敏を送り込もうと準備を進める。その伊東がアシスタントレフリーとともにタッチに立った。そして、ゲームが途切れる。しかし、内田が戻ってくる様子はない。

 DFラインやボランチなどのチームメイトに声をかけている内田は、監督が座るベンチに背を向ける格好だった。だから、気がつかなかったのだろう。レフリーに促されて、やっと現状を飲み込んだようだった。

 それほど、試合に集中していたのだろうし、自身の交代をイメージできないほど、疲労を感じていなかったのかもしれない。

「僕自身は意外といけた。スプリントもできていたし、球際もガツンと行けた。全然怖くなかった。(天皇杯の)町田戦は90分間出場しましたけど、終盤に試合のペースがスローダウンしたことも(理由に)あった。でも今日は、90分いけたと感じている」と、試合後の内田は語っている。

【次ページ】 イヤ、勝たなくちゃいけないでしょ。

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