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タイガー・ウッズが天才たる所以。
復帰戦、消えた才能と究極の努力。

posted2018/01/29 17:30

 
タイガー・ウッズが天才たる所以。復帰戦、消えた才能と究極の努力。<Number Web> photograph by Sonoko Funakoshi

ゴルフにとってのタイガー・ウッズは、誰とも比べることができない存在感を持っているのだ。

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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Sonoko Funakoshi

「天才は究極の努力家である」という言葉を、その昔、米ツアー選手の口から聞いたことがあった。特別な才能を持って生まれたかどうか。それは、人間が「天才」と呼ばれるための最初の一歩に過ぎないのだ、と。

 そして天才と呼ばれ続けるためには、才能が衰えないようたゆまぬ努力を積まなければならない。天才と呼ばれたことに胡坐をかいていたら、すぐに凡才、いやそれ以下に転落してしまう。

 そうではなく、長い長い歩みを耐え抜くことができる人。忍耐と努力の人。つまり「天才は究極の努力家」。この言葉は、きっとタイガー・ウッズのためにあるのだと、今、感じている。

「タイガーはおしまいだ」と誰もが何度も思った。

 昨年の今大会以来、1年ぶりに米ツアーの試合に復帰したタイガー・ウッズ。昨年は4月に4度目の腰の手術を受け、5月末にはDUI(薬物の影響下での運転)で逮捕され、「もう、ウッズはおしまいだ」と囁かれた。

 今年のファーマーズ・インシュアランス・オープンの初日、サウスコースの1番ティに立ち、大勢のギャラリーに囲まれていたウッズの姿を眺めながら、あのどん底から、よくここまでたどり着けたなと思わずにはいられなかった。

 振り返れば、ウッズがどん底から復帰したことは過去にも何度もあった。

 ジュニア時代から痛めた膝はプロキャリアの中でボロボロになった。最愛の父アールを失った2006年は、心が揺れてすっかり気落ちし、直後の全米オープンでは予選落ちを喫した。だが、その翌月には全英オープンで優勝し、相棒キャディに抱き付いて少年のように号泣した。続く8月には全米プロも制覇した。

 2008年の全米オープンでは、ボロボロの膝に骨折まで起こし、歩くにも激痛を覚えながら月曜日のプレーオフを戦い抜いてメジャー14勝目を挙げた。

 2009年の年末には、交通事故に端を発する不倫騒動が勃発。次々に出てくるスキャンダルの数々に「もう、タイガーはおしまいだ」と誰もが思った。

 だが、どのときもウッズはどん底から這い上がり、試合へ復帰し、強い選手へ復活した。だからこそ今回も、まずは試合に復帰し、そしていずれは「強いウッズ」へ復活してくれるのではないか。

 世界中のファンが、そう願っている。

【次ページ】 復帰1年以上前から、家に深いラフを作って……。

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