“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高校サッカー選手権徹底プレビュー。
下馬評は4強だが……伏兵アリ!
posted2017/12/27 17:30
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
12月30日に開幕する第96回全国高校サッカー選手権大会。
全国から48代表校が首都圏に集結し、トーナメント戦で覇権を争う真冬の風物詩だ。
歴史と伝統ある高校選手権。今年はいったいどんなドラマが生まれるのだろうか――。
まず優勝候補の筆頭に挙げられるのが、青森山田、流通経済大柏(千葉)、東福岡、前橋育英(群馬)の4強だ。
この4強を挙げる根拠は2つある。
1つはシンプルに実力。
もう1つは今大会から選手交代枠が4枠から5枠に広がったことにより、ベンチ入りメンバーを含めた総合能力の高さが問われる大会となったから。すなわち「選手層の厚さ」が重要なポイントになるのだ。
前線の中村、郷家、田中が最強のトライアングルを作る。
前回覇者の青森山田は昨年のメンバーがごっそりと抜けたが、個々の能力と組織力が全国トップレベルであることは間違いない。前年度王者として臨んだ高円宮杯プレミアリーグイーストでは3位でフィニッシュしたが、最終節まで優勝争いを演じるなど、その力は本物である。
注目は前線の3枚。
1トップには3月に柏レイソルU-18から「電撃加入」したFW中村駿太を置き、2シャドーにはU-18日本代表の郷家友太と抜群の決定力を誇る田中凌汰を配置。このトライアングルが攻撃の鍵を握っている。
「青森でイチから自分を見直したいと思った。ずっとレイソルの下部組織で育って、毎日同じ環境で過ごしていて。それは凄く楽しくて、自分を成長させてもらったのは間違いないのですが、ずっと高校サッカーに憧れていたし、高校最後の1年は環境を変えて鍛え直したかった」
U-12時代から柏一筋だった中村が、こう決断して青森山田に編入したことは、大きな驚きだった。