“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
攻撃は世界上位だが守備は緊急事態!
サッカーU-17代表選手発表の裏側。
posted2017/09/26 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
10月6日からインドで開幕するU-17W杯。2大会ぶりの出場を果たしたU-17日本代表の最終メンバーが発表された。
ホンジュラス、フランス、ニューカレドニアと同じグループEに入ったU-17日本代表は、まずはグループ2位以内(もしくは3位の上位4チーム)に入っての決勝トーナメント進出を第一目標に、世界一に向けてその歩みをスタートさせることになる。
今回の年代は、今年5月のU-20W杯に出場したFW久保建英(FC東京U-18)を筆頭に、高2ながらすでに複数のJクラブが激しい争奪戦を繰り広げているFW中村敬斗(三菱養和SCユース)、この世代のエースストライカーとも言えるFW宮代大聖(川崎フロンターレU-18)、そして将来はFC東京だけでなく日本の攻守の要としての期待が集まるMF平川怜(FC東京U-18)など、タレントひしめく期待の世代として注目が集まっている。
U-17W杯でも上位進出が期待できる才能に恵まれた世代でもあるだけに、メンバー発表が行われたJFAハウスの記者会見場は記者で満員となった。
最も重要な選手のひとり「瀬古歩夢」が欠けた意味とは?
森山佳郎監督がメンバーの一人一人を紹介し、総勢21名の選手発表は終わった。注目したいのは、この会見で森山監督が一番多く口にした個人名は久保でもなく平川でもなく「瀬古歩夢」(せこ・あゆむ/セレッソ大阪U-18)だったことだ。
瀬古は今回のメンバーには入っていない。大会直前に負傷し、今大会の出場が不可能になってしまったからだ。彼の負傷により、今回のメンバー選考は非常に大きな修正を求められたと言っても過言ではない。
「正直、瀬古と小林(友希、ヴィッセル神戸U-18)がいれば、将来の日本代表のCBは安泰だな……と思っていたところ、瀬古が呼べなくなってしまった」
森山監督もその痛手を素直に認めたように、森山ジャパンの守備は瀬古と小林の185cmオーバーの2CBが、不動の地位を築いていたのである。
2011年のU-17W杯でベスト8に進んだチームも、植田直通と岩波拓也の185cmオーバーの2CBがチーム立ち上げから不動の存在であり続け、チームの屋台骨を支えた。歴代のU-17代表を見ても、185cmのCBコンビとなったのは、記憶の範囲内では植田・岩波コンビと、瀬古・小林コンビぐらいではないだろうか。