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フレッシュ球宴に好投手が多すぎ!
巨人・畠世周の“外す意欲”に驚く。
posted2017/07/25 11:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Kyodo News
少し前のことになるが、昼間の静岡地方にドカンと雨が降った日に、まさかやるまい……と思っていたらその晩、その静岡の草薙球場で「フレッシュオールスターゲーム2017」が行なわれたから驚いた。
今年は、入団4年目までの「将来のホープたち」が腕を競い、9回引き分けに終わったものの、イースタン、ウエスタン、両チームから出場した合計17人の快腕・剛腕たちの投げっぷりに目を奪われた。
16人の若手投手が1イニングずつマウンドに上り、ただ1人2イニング投げたソフトバンク・古谷優人(北海道・江陵高、1年目)と、1イニングでも2三振を奪った楽天・藤平尚真(横浜高・1年目)が「優秀選手賞」を獲得した。
“1イニング組”の中には、ほかにも2三振、3三振を奪った投手もいて、両チームがそれぞれ11三振ずつ、合計22三振を奪って奪三振の山を築く、「投高打低」の試合展開となった。
貧打線というよりも、投手のボールが良すぎた。
両チームの打線が放ったヒットは4安打ずつ。
貧打戦と酷評した人もいたが、ほんとのところ今年のフレッシュオールスターは、バットマンたちにとってはちょっと気の毒な事情もあった。
登板した17投手が投じたボールの活きが良すぎた。さすが各チーム選り抜きの快腕・剛腕たちだ。
まず、ボールが速かった。
ほとんどの投手がコンスタントに145キロ前後をマークし、しかもその速球の“質”がすばらしかった。
今はボールの回転数まで計測できる機器があるそうだが、おそらくどの投手もトップクラスの回転数を計示したはずだ。
コントロールのほうは置いておくとして、そのスピードと速球の質にかけては、一軍で活躍している先輩たちとそんなに違わない……そんな実感だった。