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愛される以上に、本人が広島を……。
“ほぼ日本人”エルドレッドという男。

posted2017/06/23 15:00

 
愛される以上に、本人が広島を……。“ほぼ日本人”エルドレッドという男。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

右手首骨折や右膝半月板の手術など怪我や故障に泣かされたこともあったが、それでも、常に広島にとってかけがえのない選手であり続けた。

text by

前原淳

前原淳Jun Maehara

PROFILE

photograph by

Hideki Sugiyama

 出張先で会った人に突然、真顔でこう聞かれた。

「広島に住んでいるなら、エルドレッドがママチャリに乗っているところを見たことありますか?」

 なんじゃそれはと思ったが、それほどプロ野球ファンの間に浸透しているのかと驚いた。

 確かに、あの大きな体のブラッド・エルドレッドがママチャリに乗るという話はインパクトはある。だがそれ以上に、こんなにも多くの人に愛されている選手なのだなと再認識させられた。

 豪快なアーチのインパクトだけでない。

 他にも多くの魅力が196センチ122キロの体には詰まっている。

外国人選手としての球団史上最長契約記録も目前に。

 日本に来て、もう6年になる。

 今年7月には、37歳を迎える。

 昨年オフ、新たに2年契約を交わした。このまま7年在籍となれば、2度の日本一に貢献したジム・ライトル('77~'82年)を抜き、外国人選手として球団史上最長となる。異国の地で輝かしい成績とともに、確かな足跡を残している。

 米国でも大砲としての片鱗を見せていた。

 '02年ドラフトでパイレーツから指名を受けた。メジャーデビューを果たした'05年には、55試合で12本塁打をたたき出した。だが、翌年は新戦力の加入や自身のケガもありメジャーでの出場機会が減少。'10年に移籍したロッキーズでは再びメジャー昇格を果たすも定着にはいたらず、その後はチームを転々とした。

 安住できない日々が続いた'12年シーズン開幕後、日本から届いたオファーにサインした。

【次ページ】 不調の時も、なぜ広島は彼を手放さなかったのか?

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