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ダービー最多勝武豊とデムーロが語る。
「今年の牡馬はすごくレベルが高い」
posted2017/05/22 07:00
text by
別府響(Number編集部)Hibiki Beppu
photograph by
Naoya Sanuki
Number927号「日本ダービー特集」で行われた武豊騎手とM・デムーロ騎手の対談。そこで大きな話題になったのが「今年のクラシック牡馬たちの実力について」だった。
“今年の3歳牝馬は、空前のハイレベル”
“一方で牡馬はやや小粒な印象が拭えず”
2017年の競馬シーズンが始まった頃、スポーツ紙各紙には、そんなフレーズが躍っていた。
ファンディーナ、ソウルスターリング、アドマイヤミヤビら強力な牝馬勢が群雄割拠の様相を呈する一方で、今年の3歳牡馬は強豪ぞろいだった昨年と比べ、実力は大したことはない――シーズン当初はファンの間でもそんな風潮ができつつあった。
夕暮れの鴨川沿いで語られた“真の実力”。
だが、そんな牝馬の代表としてファンディーナが挑んだ4月の皐月賞は、松山弘平騎手が騎乗したアルアインが勝利。平成生まれジョッキーとして初のJRA・GI制覇となった。
単勝1番人気に推されるなど期待されたファンディーナは7着。アルアインの勝ち時計1分57秒8は、レースレコードで制した昨年のディーマジェスティの記録を0秒1更新。'15年の中山金杯でラブリーデイがマークしたコースレコードと肩を並べ「牡馬が弱い」という世間の評判が間違いだったことを、結果で証明して見せたのだ。
その結果が示す通り、歴代最多5度のダービー制覇の経験を持つ日本の至宝と、4度の騎乗で2度のダービー戴冠を誇るイタリアの名手も、ともに「今年の牡馬は弱くない」と口をそろえた。
夕暮れの鴨川沿いのイタリア料理店で、2人の辣腕ジョッキーからは、今年の3歳牡馬の“真の実力”が語られていた。