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池添謙一、レーヌミノルとオークスへ。
オルフェとカツ丼の大事な思い出。
posted2017/05/19 07:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Naoya Sanuki
5月21日、3歳牝馬のナンバーワンを決めるGI「オークス」が開催される。
注目は、桜花賞で圧倒的1番人気におされた“怪物の娘”ソウルスターリングを破り、2冠を目指すレーヌミノルだ。手綱を取る池添謙一騎手は昨年のシンハライトに続き、オークス連覇がかかっている。
桜花賞は大舞台に強い池添騎手の思い切った騎乗が功を奏したレースだった。レーヌミノルは逃げた前々走、早めの仕掛けで2着に終わった前走とは違い、好位で折り合い、ラスト2ハロンで追いだされると一気に加速。迫るソウルスターリングを振り切って先頭でゴールした。勝負所を完全に把握しているかの仕掛けで、見事最初のクラシックを制し、昨年シンハライトでハナ差2着に敗れた雪辱を果たした。
騎手人生のなかで特別に緊張したレースとは?
池添騎手と言えば、現役5位のGI23勝(JRA)、「GIハンター」の異名を持つほど、大舞台で力を発揮するタイプのジョッキーだ。だが、意外にも「小さい頃から目立ちたがり屋だったけど、人一倍緊張するタイプだった」という。
そんな池添が、今までの騎手人生のなかでも、特別に「メッチャ緊張した」と明かすのが、オルフェーヴルで挑んだ、2011年の日本ダービーである。皐月賞を圧勝したオルフェーヴルはダービーでも1番人気が確実。池添は、皐月賞が終わった直後からずっとプレッシャーにさらされてきたという。
「ずっとあこがれてきた舞台で、しかもその1番人気が確実な馬ですからね。皐月賞のあとは頭のなかはずっとダービーばかりでした」
あれほどの緊張はなかったという池添だったが、本番ではしっかりと人気にこたえ、優勝。
ついに「ダービージョッキー」となった。