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大阪桐蔭・根尾昂は野球の常識の外。
片手捕球、ジャンプスロー、スキー。

posted2017/04/05 07:00

 
大阪桐蔭・根尾昂は野球の常識の外。片手捕球、ジャンプスロー、スキー。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

高校野球界では珍しいクローザーでもある根尾昂。類まれなる精神力が求められるポジションを2年生が務めるのは異例のことだ。

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

PROFILE

photograph by

Hideki Sugiyama

 マウンドの輪の中にいる、投手ではそう大きくない彼の姿に、やはり持っている男なのだなと思った。

 根尾昂(ねお・あきら)。春・夏通じて6度目の全国の頂点に立った大阪桐蔭では、初めて2年生として優勝マウンドに立った。

 多彩な能力を持った男だ。

 岐阜県の飛騨市出身。中学時代にすでに146kmを投げ、巧みなバットコントロールと俊足が持ち味で日本代表(NOMOジャパン)にも選ばれた。さらにはオール5の成績優秀と、野球界で異彩を放つ逸材だ。そんな評判もあって、彼の大阪桐蔭入りは入学以前からちょっとした騒ぎだった。

守備位置はショートに外野、投手まで多彩。

 2015年秋の神宮大会のころ、西谷監督に尋ねたことがある。飛騨高山の逸材が入るんですか、と。

「146kmを投げたといって評判になってますけど、動画が広がったりして可哀想やなと思います。球速ばかり先行して伝えられていますが、スピードだけが魅力のタイプではないですし、野手としての魅力の方があります。僕のイメージとしては松井稼頭央(楽天)選手。もちろん、手元で見てみないと分かりませんけどね。親がお医者さんってことでね、僕も本人の将来の夢がお医者さんだったら諦めようと思っていたんです。でも、情報を取り寄せたら、本人はプロ野球選手になりたいということだった。それなら、ぜひうちで、ということでした」

 中学時代から大きな話題を振りまいていた逸材は、かくして大阪桐蔭へ入学した。

 1年夏からベンチ入りし、秋にはレギュラーをつかむ。

 今大会は背番号「7」ながら、守ったポジションは、1回戦の宇部鴻城戦の「6」に始まり、「8」と「1」だ。練習では「5」もこなしているという。いわば二刀流ならぬ、多投流なのである。

【次ページ】 中南米選手のような、派手な守備を見せる1年生。

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