錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
マレーもジョコビッチも錦織圭も。
強豪選手がスランプを否定する根拠。
posted2017/03/24 21:00
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Getty Images
2017年最初の「マスターズ1000」。インディアンウェルズ大会(BNPパリバ・オープン)で錦織圭が残した足跡は、昨年と同じくベスト8だった。
高く弾むサーフェスに加えて、ここで使用されるボールの感触など、錦織は以前からこの大会のコンディションに関しては「苦手」と言い続けており、準々決勝に進んだのは昨年が初めてだった。それと同じ成績ならさほど悲観することでもないのかもしれないが、準々決勝でラファエル・ナダルに敗れた昨年と、世界ランク18位のジャック・ソックに敗れた今回では、自ずと評価も変わってくるだろう。
昨年のインディアンウェルズ・マスターズが終わった段階での勝敗数は14勝5敗。
今年は12勝5敗。さほど大きな違いはない。
ただ、負けた相手が問題だ。
今季の錦織は下位選手の対戦で取りこぼしが多い。
昨年の5敗の相手は、ベルナード・トミッチ(18位)、ノバク・ジョコビッチ(1位)、サム・クエリー(43位)、アンディ・マレー(2位)、ラファエル・ナダル(5位)。
今年はグリゴール・ディミトロフ(17位)、ロジャー・フェデラー(17位)、アレクサンドル・ドルゴポロフ(66位)、トーマス・ベルッチ(76位)、そしてジャック・ソック(18位)……。
フェデラーの〈17位〉はその実力を示していないにしても、やはり全体的に見てとりこぼしが多い印象だ。5人のうちこれが初黒星という相手が3人いることも、その印象を強めている。
最近の錦織はいわゆるスランプなのか。