“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER

ついに名古屋vs.岐阜が雌雄を決する!?
J2「名岐ダービー」という痺れる対戦。

posted2017/03/09 11:00

 
ついに名古屋vs.岐阜が雌雄を決する!?J2「名岐ダービー」という痺れる対戦。<Number Web> photograph by Kazuhito Yamada,Kouichi Takamori/Kaz Photography

おどけた表情でゴールアピールをする岐阜の田中パウロ淳一。岐阜のサポーターにとっては一生忘れられない1点となった。

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph by

Kazuhito Yamada,Kouichi Takamori/Kaz Photography

 筆者は岐阜県出身である。

 高校まで岐阜県で育ち、岐阜という地域に対する愛着はことのほか深い。

 3月4日のJ2第2節において、名古屋グランパスvs.FC岐阜というカードが、名古屋のホームスタジアムである豊田スタジアムで実現した。

 他の地域の人間からすると、ただのJリーグの1試合に過ぎないかもしれないが、岐阜県民(もしくは岐阜生まれ・育ちの人間)にとって、この一戦は非常に意義あるものだった。

 試合前に名古屋サポーターに話を聞いてみると、「向こう(FC岐阜サポーター)はダービーマッチだって思っているかもしれないが、こっちはそう思ってないから」とか、「普通のリーグの1試合」などという、素っ気なくも、ある意味期待通りの回答が返ってきた。

 一方、岐阜のサポーターに話を聞くと、「ついにこの日が来た!」、「相手はなめていると思うから、絶対に勝ちたい!!」と、非常に熱い言葉が多く聞かれた。ただ、岐阜県民の謙虚なところは、威勢良く言葉を発した後に「ま、向こうが(J2に)落ちて来てくれたから実現したんだけどね」と、一歩引くというか、自らを蔑んでいるというか……岐阜県民的な解釈で言うと“健気な態度”を見せることも多かったことを伝えておきたい。

皆さんは「岐阜県」と聞いて場所がすぐ分かりますか?

 愛知県名古屋市。

 東京、大阪に並んで日本三大都市(※異論がある方もいらっしゃると思いますが……)と称される、中京地区ナンバーワンの大都市。

 名古屋と岐阜は地理的にも非常に近く、文化的にも歴史的にも密接な関係にある。名古屋グランパスとFC岐阜の試合は「名岐ダービー」と呼ばれ、“岐阜県民にとっては”悲願の対戦。そして、なんとしてでも勝利したい一戦なのだ。

 なぜそこまでダービーマッチであることを強調しなければいけないのか……それは名古屋と岐阜の間に横たわる、一種の「主従関係」が影響している。

 皆さんは岐阜県、岐阜市と聞いて、パッと地図上で正確な位置を思い浮かべることが出来るだろうか?

 多少の自虐が入っているかもしれないが、正直筆者が経験した言葉だけでも、「岐阜って四国?」、「分からない」とか、ひどいときには「岐阜なんて県、あったっけ?」なんていうレベルのものまであった(あくまでも筆者経験談です!)。

【次ページ】 あまりにも近すぎる……岐阜駅と名古屋駅の悲劇。

1 2 3 4 NEXT
名古屋グランパス
FC岐阜
大木武
風間八宏
田中パウロ淳一
森山泰行
中日ドラゴンズ

Jリーグの前後の記事

ページトップ