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優勝翌年に降格してしまうのか……。
ラニエリ解任で激震、レスターの宿命。
posted2017/03/08 08:00
text by
ティエリー・マルシャン&フィリップ・オクレールThierry Marchand et Philippe Auclair
photograph by
RICHARD MARTIN
クラウディオ・ラニエリ監督を解任したレスター・シティが、リバプールとハルシティ相手に2連勝してプレミアリーグの降格ゾーンから脱出した。
昨シーズン、奇跡ともいえるリーグ制覇を成し遂げたレスターの今季の不振と、ラニエリ監督の解任に関してはすでにさまざまなメディアで取り上げられている。『フランス・フットボール』誌でも2月28日号で、ティエリー・マルシャン記者とフィリップ・オクレール記者がレスターのここまでの軌跡を分析している。彼らが描き出しているのは、功を成し遂げたチームが負のスパイラルに陥ったときの悲劇であり、ここまで極端な例は珍しいにせよ歴史的に繰り返されてきた事例の繰り返しである。
リバプール戦では、横断幕とスタンディングオベーションでサポーターたちがラニエリへの最大限の敬意を表した。弱小クラブが奇跡を起こすことの凄さと脆さがどこにあるのか。十分に分析しきれているわけではないが、考える材料を与えるレポートとしては、読むに値するものといえる。
監修:田村修一
イングランドサッカー史に刻まれるはずの、この2年。
昨季、奇跡的なリーグ優勝を遂げたレスター・シティが、今季は降格の危機に苦しみ監督のクラウディオ・ラニエリをこのほど解任した。ここに語るのは、望外の栄光を手にしたクラブのその後の物語である。
2016年と'17年の2年間は、不可能が現実となった年として、イングランドサッカーの歴史に深く刻み込まれようとしている。昨季の優勝賭け率が5000対1であったレスターは、今や降格の賭け率が6対4にまであがっているのだ。
ユルゲン・クロップが最近語ったように、「2016~'17年は、いろいろと奇妙な決定がなされた。ブリグジット(英国のEU離脱)、トランプの当選、ラニエリの解任……」
アディオ、クラウディオ。
僕らは君が大好きだった。
特に勝っているときには。