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春高バレー女子2連覇の下北沢成徳。
黒後愛、次の目標は東京五輪代表!
posted2017/01/15 08:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Kyodo News
1月4日から5日間にわたって熱戦が繰り広げられた第69回全日本高等学校選手権大会(春の高校バレー)。女子は大山加奈、荒木絵里香、木村沙織らを輩出した名門・下北沢成徳が連覇を果たした。
前回の優勝後、新チームが始動すると、選手たちはインターハイ、国体、春高の3冠を目指しトレーニングに励んだ。インターハイでは宿敵・金蘭会(大阪)を3-0のストレートで破り14年ぶり2回目となる優勝でまずは1冠。しかし、10月の岩手国体では、インターハイ決勝と同じ金蘭会に0-3と完敗し、2冠を阻まれた。3冠を獲るという夢はその時点で消滅してしまったが、だからこそ「連覇」がかかった春高への思いは、並々ならぬものがあった。
下北沢成徳は2回戦から登場し、初戦で福井工大福井を破ると、その後は順調に勝ち上がってきた。準決勝でフルセットの末に金蘭会を破った就実(岡山)との決勝は、黒後愛らのスパイクで第1セットを25-19と先取した。迎えた第2セット。序盤は就実に連続ポイントを許し相手にリードされる苦しい展開をしいられた。
リードを許しても、選手を信じてタイムは取らず。
「このセットが勝負だぞ」と選手たちに伝えてはいたが、相手にリードを許しても、小川良樹監督はタイムを取らなかった。「コート上でプレーする選手たちに動揺が見られなかった」、「22点あたりで追いつくと思っていた」と平然と振り返る。
劣勢に立たされた選手たちも慌てなかった。
「(石川)真佑やセンターの2人の姿を見ていて、“絶対に追いつける”という自信はありました。練習試合でもこういう場面が何度かあって、そういうときも絶対に後半に追いついて勝つということが多かったので。そういう戦いを経験できたことがつながったんだと思います」(黒後)
次第に流れは下北沢成徳へと傾いていく。山口珠李や堀江美志、石川がアタックを決め逆転すると、このセットを25-22で奪った。