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Jトライアウトの再就職率は87.5%!
人情よりも、進路こそが本質では?
posted2016/12/08 15:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Satoshi Shigeno
トライアウト。
このイベントの響きが、いつからか「人の不幸は蜜の味」のようなイメージになりつつある。それを特に強く印象づけるのは年末のテレビ特番でも放映されるプロ野球トライアウトだろう。実際に筆者も数年前、プロ野球トライアウトの現場に足を運んだことがある。
会場となった静岡県営草薙球場には5000人ほどの観客が集まる中、かつて各球団の主力級だった選手らを取材した。そしてここ数年は毎年、契約満了となったサッカー選手が来季の所属先を見つけるためにプレーする「JPFAトライアウト」に足を運んでいる。
取材を進める中で“読者の需要”があると感じるのは、その人となり、境遇だ。例えば20歳で、逆にピークを過ぎた30代後半で、彼らが受ける戦力外通告。もしくは家族との関係性にスポットライトを向けたもの……。
会場には数多くの選手が集まるため、様々な角度がある。しかしトライアウトの本質である部分は、あっさりとしか伝えられていないようにも映る。
トライアウト後の進路は、案外報じられない。
それは、トライアウトを受けた選手のその後、つまり進路である。
来季の所属先を見つけると先に記した通り、プロサッカー選手である以上、大前提として「プロとしてプレーすること」こそが本望である。ただトライアウト自体の報道は多いが、“トライアウト後”まで報じられる機会が少ないのは事実である。
そんな中で、今年のトライアウトの会場となったフクダ電子アリーナのプレスルームには、3枚の張り紙が貼られてあった。
「2015年に参加した選手たちの進路です」
それは、昨年行われたトライアウトを受験した選手たちで、その後所属クラブが決まった選手たちの一覧表だった。昨年度のトライアウトは2日間にわたって行われ、東南アジア国籍の選手を含む計91名が参加した。うち日本人選手全88人の2016年の行き先が記されていた。