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久保建英の世界観は今もバルサ目線。
欧州を目指すのと戻るのはどう違う?

posted2016/12/01 12:00

 
久保建英の世界観は今もバルサ目線。欧州を目指すのと戻るのはどう違う?<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

バルセロナの哲学は、久保建英の中にしっかりと根付いている。みなぎる自信のおおもとは、やはりそこにあるのだろう。

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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 久保建英を取り囲む記者たち。取材後、大体の大人たちがいつもこうつぶやく。

「しっかりしているなあ」

「中学生とは思えないな」

 冷静で、落ち着いている。甲高い声はまだまだ大人びていないが、そこにたどたどしさはない。自分の評価と課題に対する沈着な姿勢。この歳にして、自らを客観視できている証拠である。

 11月30日。久保はアルゼンチン遠征に向かうU-19日本代表に初参加していた。15歳、中学3年生。先日、来年のU-17W杯出場の切符を掴んだU-16日本代表の一員にも、歳下ながら選出されていたが、さらにその上の世代、来年のU-20W杯を戦うヤングジャパン候補にも今回名を連ねることになった。

発言は優等生だが、決しておべっかではない。

 この日、初めてボールを蹴りあった先輩たちは、すでにJ各クラブのトップチームでプレーする選手たちが多い。練習後に取材に応じた久保は語る。

「結構、日頃テレビで観ているような選手もいて、年上の選手たちに混じっていつもとは違った雰囲気の中で練習ができて、とても良い経験だったなと思います。自分は(FC東京でも年代別代表でも)いつも飛び級でプレーさせてもらっていますが、日本のトップレベルの選手たちで、さらに年上の選手たちの中でやらせてもらえるのは自分にとってもチャンス。成長できるきっかけになると思っています」

 優等生発言にも聞こえるが、久保の社交性が表れていた。世間の注目を一身に浴びる立場であることは、本人も重々承知している。ただ、あくまで先輩へのリスペクトを忘れない。これが決して“おべっか”ではないことは、所属するFC東京U-18の関係者の発言からもわかる。

「建英は先輩にも人懐っこく、なおかつしっかり年上を立てて接することができる。自分が“外国帰り”というブランドを匂わすことは一切ないです」

【次ページ】 バルサの意向もあり、取材規制が敷かれている。

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