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闘莉王「俺が何とかするよ」
奇跡の逆転残留へ、男は微笑んだ。

posted2016/11/02 17:00

 
闘莉王「俺が何とかするよ」奇跡の逆転残留へ、男は微笑んだ。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

田中マルクス闘莉王が復帰して、名古屋のサッカーには一本芯が通った。この男が再び奇跡を起こすのだろうか。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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「昨日はボロ負けだった。みんな、頑張っているのに頑張り切れない。頑張りが結果につながらない。苦しいね。最近、あまり眠れていない。ぐっすり寝たいよね」

 降格圏の16位のまま、最終節の湘南戦を迎えることが決まった翌日。柔らかな秋の陽に包まれた名古屋グランパスの練習場で、田中マルクス闘莉王はどこかもの悲しげに、けれども努めて明るく、穏やかに、前日の試合を振り返った。

 10月29日の第2ステージ第16節。名古屋は神戸とのアウェーマッチで0-3と大敗した。前半15分に先制点を奪われたことで前掛かりにならざるをえなくなり、失点を重ねては意気消沈した。永井謙佑のカウンターなどからチャンスは作ったがゴールには至らず、後半はサンドバックのように攻められた。

「残留の可能性が決して低くないことに感謝したい」

「3失点だったけど、6点取られてもおかしくないくらいだった。ちょっとむかついたのは、がむしゃらに頑張るしかないのに、気持ちが入っていないというか。もちろん、難しいというのは分かる。でも、物事がうまくいかないときは気持ちで持って行くしかないんだよ」

 やるせない言葉が口を突いてしまうが、諦めたわけではない。J1残留争いには最終節を残して13位磐田(勝ち点33、得失点差-14)、14位甲府(31、-25)、15位新潟(30、-15)、16位名古屋(30、-18)の4チームが絡んでおり、4チームすべてに降格の危険性がある。裏を返せば、現在降格圏にいる名古屋も、自力だけではかなわないにせよ、湘南に勝てば他チームの結果次第で残留の可能性が出てくる。

「俺は、残留できる可能性が決して低くはないことに感謝したい。俺らが勝って、他もみんな勝って、それで残留できなかったら、しょうがない。やるべき仕事をやる。それに集中したい」

 背番号4の言葉に熱が帯びてくる。

【次ページ】 臨月の妻に怒られながらも、復帰を決意。

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