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ドイツの誇りシューマッハーの志を!
ベッテルらが継承した慈善イベント。

posted2016/08/28 11:00

 
ドイツの誇りシューマッハーの志を!ベッテルらが継承した慈善イベント。<Number Web> photograph by Masahiro Owari

競技の枠を超えて行なわれた「チャンピオンズ・フォー・チャリティ」。リハビリ中のシューマッハーへと届いただろうか。

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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Masahiro Owari

 2年ぶりに復活したドイツGPが行われる直前、ドイツ中部のマインツで、あるチャリティイベントが催された。そのイベントの名は「チャンピオンズ・フォー・チャリティ」。その名の通り、多くのチャンピオンたちが、この日、会場となったオペル・アリーナに集い、サッカーの試合を行なった。

 F1界からは'98年~'99年王者のミカ・ハッキネンが参加。チャンピオンは獲得していないが、ハッキネン以外にもニコ・ロズベルグ、ダニエル・リカルド、フェリペ・マッサら、トップドライバーが集結。サッカー界からもミロスラフ・クローゼ、ルーカス・ポドルスキといった2014年ブラジル・ワールドカップで王者となったドイツ代表選手たちが参加した。

 しかし、これらのチャンピオンたちと混じって、本来いるべき選手がこの日、ひとりだけ見当たらなかった。それは史上最多7度のF1王者となったミハエル・シューマッハーである。なぜなら、シューマッハーは2013年の12月末にフランスのメリベルでのスキー中に転倒。頭部に重傷を負い、約6カ月間にわたる人工的な昏睡状態を経て、いまなおスイスの自宅でリハビリを続けているからである。

 そのため、チャリティマッチが行われる前には「#KeepFightingMichael」というメッセージが入ったバナーが掲げられ、スタンドの観客からもシューマッハーへの熱い思いが示された。

頓挫したイベントを甦らせたベッテルとノビツキー。

 だが、このイベントは、じつはシューマッハーを支援することが目的で催されたものではない。それはこの日、集まった寄付金はシューマッハーの家族ではなく、ドイツの慈善事業に全額寄付されたことでもわかる。このチャリティイベントは、長年シューマッハーがリーダー役を務めて行われてきたものだった。しかし、そのシューマッハーが自宅療養中となり、イベントは頓挫していたのである。

 そこで立ち上がったのが、シューマッハーを尊敬する2人のドイツ人だった。ひとりは4冠王者のセバスチャン・ベッテル。もうひとりは、アメリカのプロバスケットボールリーグであるNBAのダラス・マーベリックスのスター選手で、2011年にチャンピオンとなったダーク・ノビツキーだ。

【次ページ】 NBAのスターもシューマッハーから心構えを学んだ。

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