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400m個人メドレーは金銀を日本独占!?
本命は萩野も、瀬戸がベストなら……。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2016/08/01 07:00

400m個人メドレーは金銀を日本独占!?本命は萩野も、瀬戸がベストなら……。<Number Web> photograph by AFLO

自由形と並んで、個人メドレーは日本人スイマーにとって鬼門だった。その競技でのワンツーフィニッシュが、現実的なものになりつつある。

瀬戸のベストタイムは、萩野のここ2年を上回る。

 一方の萩野の自己記録は、2013年の日本選手権時の4分7秒61。2014年にも4分7秒75を出している。

 2015年は6月末に右肘を骨折してシーズン後半を欠場したから割り引いて考えなければいけないが、4分8秒54がシーズンのベストタイム。そして今年が4分8秒85である。

 瀬戸が自己記録を超える、あるいはそれに近いタイムを出せば、萩野のここ2年のベストを上回る計算となる。

 結局のところ、ポイントは、大会へ向けてどこまで仕上げられるかにかかっている。

 萩野は日本選手権優勝後、「すっごく悔しいです」と納得がいかなかったことを言葉と表情で示した。6秒台を出すための練習を積んできたからだ。5月のジャパンオープンでは、「5秒台を目指していきたいと思っています」と語った。現在のタイムにとどまるつもりはない。

 5月25日にはヨーロッパへ出発。そのままリオの試合が終わるまで、帰国しないスケジュールを選択した。とことん練習し、調整にも万全を尽くしたいという思いからだ。

 瀬戸は6月の相模原市公認記録会で自由形、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライの100mに出場し、全種目で自己新記録をマーク。

「勢いが出てきています」

 そう笑顔を見せた瀬戸は、6月中旬、渡米。実戦も交え、合宿を行ってきた。強化の成果を発揮することができるか、ピークを持ってこられるかどうか。過去の実績どうこうよりも、矢印が上向きで臨めるかが、結果を左右する。

日本勢のワンツーも現実的に見えてきた。

 2人にとって強敵になると目されていたロンドン五輪金メダルのライアン・ロクテ(アメリカ)は、代表選考会の予選時に足を痛めた影響から決勝で3位に終わり、代表を逃した。

 日本勢のワンツーフィニッシュも現実のものとして見えてきた400m個人メドレー。

 その後、萩野は200m自由形、4×200mリレー、200m個人メドレーに出場し、瀬戸は200mバタフライに出場するが、2人にとっても日本競泳陣にとっても、流れを作るために大きな種目となる。

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