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早朝のハマスタでキャッチボール?
噂の「ドリーム・ゲート」体験記。
posted2016/07/08 17:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
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Sports Graphic Number
7月上旬のある朝。20年来のベイスターズファンであるNumber編集部野球担当・Tは、閑散とした横浜・関内にいた。時刻はもうすぐ午前7時になろうかというところで、近隣の官庁街もまだ目覚めていない。
しかし、この街のシンボルでもある横浜スタジアムの周辺には、まばらに人の姿があった。一様にスポーティな格好で、野球のグラブを携えている。中でもうずうずと何かを待っている様子の男子大学生3人組に、何をしているのか尋ねてみた。
「7時の開門を待ってるんですよ。今、ハマスタでは誰でもキャッチボールができるんで」
そう、彼らは今シーズンから横浜DeNAベイスターズが始めた取り組み「ドリーム・ゲート・キャッチボール」の参加者だったのだ。
ベイスターズ主催のナイター試合がある日の朝7時から8時30分までの1時間半、誰でも無料でグラウンドに入ってキャッチボールを楽しむことができる。
7時になると同時にスタジアムのセンター後方のゲートが開き、待ちわびていた20人ほどの人たちが続々とグラウンドに足を踏み入れ始めた。
憧れのスタジアムでプロ野球の巨大空間を味わえる!
受付では、無料でグラブと硬球を模した柔らかいボールを貸し出してくれた。センターからグラウンドに入ると、背後にそびえ立つオーロラビジョンの大きさに圧倒される。「ギータ(ソフトバンク・柳田悠岐)に破壊されたのはあのあたり?」なんて声が聞こえたかと思えば、右翼フェンスに駆け寄った女性は「カジ(梶谷隆幸)はこの扉の向こうに消えたんだね!」と嬉しそうに体当たりをしていた。
視線を上げると、外野スタンドに並ぶ濃いブルーの座席の1席1席が目に飛び込んでくる。ハマスタはすり鉢型をしているのでスタンドから選手の姿を見やすいと思っていたけれど、これは選手からも観客の一人ひとりの顔がよく見えるなあ……。