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バレーの新システムはなぜ“今”か?
タブレットとチャレンジの問題点。
posted2016/05/25 11:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
AFLO
5月22日まで東京体育館で開催された2016リオデジャネイロオリンピック世界最終予選女子大会で、1位イタリア、2位オランダ、3位日本、4位韓国の4カ国がリオ五輪の出場権を獲得した。
8チームが五輪をかけて真剣勝負を繰り広げた今大会だが、残念なことに、選手のプレー以外の部分が注目を集めた大会でもあった。
そのきっかけとなったのが、大会4日目の日本対タイ戦だ。
日本はタイの速いコンビバレーと堅い守備に苦しめられ、試合はフルセットとなった。第5セットも日本はミスが続いて出遅れ、6-12と大きく引き離された。しかしそこから石井優希のスパイクで8-12と追い上げる。
レッドカード2枚の2点も絡み、大逆転。
そこでタイのキャテポン・ラッチャタギャングライ監督はチャレンジ(ビデオ判定)を要求するが認められず、この後タイムアウトを取るが、遅延行為としてイエローカードが出された。監督が抗議すると、レッドカードが出て、日本に1点が入り9-12となった。
浮き足立つタイに対し、日本は宮下遥のノータッチエース、石井のスパイクで11-12と迫った。タイはタイムアウトを取るが、流れは止められず、日本は石井のブロック、迫田さおりのスパイクで13-12とついに逆転。
ここでキャテポン監督は、交代していたセッターを戻そうとするがその選手交代が認められない。タイの監督、選手が抗議しているうちに、このセット2枚目のレッドカードが出され、日本に1点が、つまりマッチポイントの14-12となった。最後は迫田のスパイクが決まり15-13でゲームセット。日本が大逆転で勝利を収め、悲願の五輪初出場が遠のいたタイの選手たちは涙にくれた。