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リオ五輪代表のOA枠に金崎夢生を!
サポート無しで点を獲る“縦”のFW。
posted2016/05/14 10:40
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
テストマッチをひとつ終えたぐらいで、着地点を見渡せるものではない。U-23日本代表のオーバーエイジ(OA)についてだ。
5月11日に行われたガーナとのテストマッチは、最終予選で主力を担った選手を数多く欠いていた。攻撃陣ではFW鈴木武蔵(新潟)とMF中島翔哉(FC東京)がケガでメンバー外となり、FW久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)とMF南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)はそもそも招集できる環境になかった。
それでも、ガーナ相手に3ゴールをマークした。
中島に代わって背番号10を背負った矢島慎也(岡山)が2得点をあげ、初の国際試合出場となった富樫敬真(横浜FM)もネットを揺らした。ケガで最終予選のメンバーから漏れた野津田岳人(新潟)も、コンディションが上向いていることをうかがわせた。
最終予選のメンバー不在を感じさせなかったのは、攻撃陣だけではない。松原健(新潟)、山中亮輔(柏)、室屋成(FC東京)が不在のサイドバックでは、右サイドを伊東幸敏(鹿島)が、左サイドを亀川諒史(福岡)が担った。最終予選に出場した亀川は終盤にベンチへ下がり、プロ1年目の三丸拡(鳥栖)がU-23日本代表デビューを飾っている。
5月13日に発表されたトゥーロン国際大会のメンバーには、三丸、野津田、富樫らが選出された。20人のメンバーのうち8人は、最終予選に出場していない選手である。
ちなみに、キャプテンの遠藤航(浦和)はACLと日程が重なるため、クラブでの活動が優先された。「ACLも国際試合であり、タフな経験ができる」と、手倉森誠監督は不動のボランチの不在も悲観的にとらえていない。
メダル獲得を目指すなら、OAは絶対に有効。
グループステージでパラグアイ、ポルトガル、ギニア、イングランドと対戦するトゥーロン国際は、リオ五輪への強化のプロセスであると同時に、OAの招集に関する重要な判断材料となる。実質的に同世代のチームだったガーナ戦よりも、確度の高い情報が得られる機会だ。
トゥーロン国際がどのような結果になるとしても、OAを呼ぶ準備はしておいたほうがいい。もっと言えば、「メダル獲得」という目標を実現するために、OAの招集は紛れもなく有効な選択肢である。