Number ExBACK NUMBER
武藤嘉紀が負傷前に語っていたこと。
「僕は今、迷っている最中なんです」
posted2016/02/10 11:40
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Atsushi Kondo
2月6日に行われたハノーファー対マインツ戦。ハノーファーに移籍したばかりのMF山口蛍、DF酒井宏樹、マインツのFW武藤嘉紀がピッチ上で相見える一戦となった。しかしこの試合で武藤は右ひざ靭帯を負傷。クラブは数週間の離脱を発表した。
マインツへ移籍して約半年、前半戦すでに7ゴール4アシストと、順風満帆な滑り出しを見せた武藤嘉紀はシュミット監督から「よっち(武藤の愛称)」と呼ばれ、寄せられた期待にしっかり応えてきた。
今シーズン2ケタ得点も見えてきた矢先の怪我。後半戦が始まる直前、武藤は自身の決意と課題をNumber895号で明かしていた。
ドイツの地に馴染みつつある様子の武藤。
マインツの街の中央に位置する開放的なカフェに武藤嘉紀はふらっと現れた。
外の気温は1℃だったが、すでに寒いドイツの気候に慣れたのか、コートは羽織らずグレーのトレーナーに少しゆるめの黒いパンツ、足元はスニーカーという出で立ち。リラックスした顔つきで街に溶け込んでいた。
日本と違い、マインツでは街中を歩いていても指をさされたり、写真を撮られることもなく、気楽に過ごせるのがとても気に入っているという。
撮影がある旨を伝えると、「写真撮るならもうちょっとちゃんとしてくればよかった」と少し照れながら笑った。
カフェで席に着くと武藤は店員に滑らかなドイツ語でオーダーを頼んだ。ドイツ語のレッスンはほぼ毎日行っているという。練習場でも自分から積極的に声を出したり、チームメイトと談笑したり、言葉の壁を徐々に克服しながらドイツの地に馴染みつつある様子が見て取れた。
昨年の12月、イングランド・プレミアリーグの強豪、マンチェスター・ユナイテッドから強い関心を持たれているという噂が浮上した。マインツでの前半戦の活躍ぶりが高評価に繋がったわけだが、武藤は周囲の反応を意外なほど冷静に受け止めていた。