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甲子園準優勝でなぜドラフト6位?
佐藤世那の「ハンデと野球カード」。

posted2016/02/09 12:00

 
新入団選手発表で、球団マスコットとともに笑顔の佐藤世那。甲子園準優勝投手にしては大きな背番号67が彼の立場を物語る。

新入団選手発表で、球団マスコットとともに笑顔の佐藤世那。甲子園準優勝投手にしては大きな背番号67が彼の立場を物語る。

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph by

NIKKAN SPORTS

「呼ばれなかったら恥ずかしいな、と思っていました」

 昨年10月22日のドラフト会議。ひたすら待ち続けた長い時間を振り返り、佐藤世那は神妙な顔で言った。

 オコエ瑠偉や清宮幸太郎らとともに、昨夏の甲子園を沸かせた一人だ。見るからにたくましい下半身を土台にした、140km台中盤の馬力のあるストレートやフォークを投げ込み、準決勝では清宮擁する早稲田実業を完封し、仙台育英を26年ぶりの決勝に導いた。東北勢がついに優勝旗を手にするか――と期待が高まり、おおいに大会を盛り上げた。

 決勝で東海大相模に敗れ悲願達成はならなかったが、佐藤は大会後のU-18ワールドカップでも、アメリカを完封するなどエース格の活躍を見せた。

他の選手ばかりが次々と指名されたドラフト会議。

 しかしドラフト当日、校内の会見場で待つ佐藤のもとには、なかなか吉報が届かなかった。同じ仙台育英の強打者・平沢大河や、U-18で共に戦ったオコエ、小笠原慎之介、高橋純平が1位で指名されていく中、佐藤は自分の名前が呼ばれるのをじっと待った。

「他の人が呼ばれたのはすごく嬉しかったんですけど……自分がまだ呼ばれていなくて、ホッとできていなかったので、心から素直には喜べていなかったですね」

 ドラフト会議前、佐藤の耳にもいろいろな情報が入ってきていた。

「楽天か中日のどちらかなのかなと思っていました。自分の中では、4位ぐらいなのかな、と」

【次ページ】 「呼ばれなかったらすごく恥ずかしいなって」

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