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一時代の終焉を迎えた読売巨人軍。
高橋新監督が背負うチーム再生の重圧。

posted2015/12/31 11:30

 
一時代の終焉を迎えた読売巨人軍。高橋新監督が背負うチーム再生の重圧。<Number Web> photograph by Kyodo News

現役引退・監督就任セレモニーで「誇れることがあるとするなら、巨人軍で現役生活を全うし、完全燃焼できたことだと思います」とコメントした。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Kyodo News

2015年の反省と2016年の希望――。
Number Web版“プロ野球・ゆく年くる年”企画は、全12球団の短期集中コラムシリーズです。年末年始にかけて、全12球団の2015年の振り返りと2016年の夢を、チームへの思い入れたっぷりの筆致でお伝えいたします!
第7回目は現役引退から即指揮官になった高橋由伸監督率いる、読売ジャイアンツです。

 2015年11月23日のジャイアンツ・ファンフェスタで行われた高橋由伸新監督の現役引退・監督就任セレモニー。その中で高橋監督のかつての盟友である元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんとボストン・レッドソックスの上原浩治投手からの激励メッセージが紹介された。

 東京ドームのオーロラビジョンに映し出された2人の姿を見るにつけ、やはり2000年代序盤の巨人の凄さを改めて痛感させられることになった。

 ファンの間ではV9以降最強とも言われる'02年の先発オーダーにはセンターに松井がいて、ライトには全盛期の高橋監督がいた。さらに2016年シーズンから二軍の打撃コーチに就任した右打ちの天才・二岡智宏がショートで、捕手には阿部慎之助が、まさにこれから若手のホープとして台頭してこようとする真っ最中だった。加えて賛否両論があるかもしれないが清原和博というアクの強いキャラも一塁手として名前を連ねていた。脇役(と言っては失礼な人材だが……)だって二塁には仁志敏久、レフトには清水隆行と揃っていて、三塁手は江藤智で内野の控えに元木大介である。

 投手陣を見回しても上原とその後メジャー移籍する高橋尚成を軸に、晩年には差し掛かっていたが桑田真澄や工藤公康(現ソフトバンク監督)も先発ローテーションの一角を担っていたわけである。

 凄いチームだった。

もはや巨人はオールスターのチームではない。

 '15年に日本一に輝いたソフトバンクのチーム力が図抜けているという話によくなるが、それに比べても圧倒するようなきらびやかなスター軍団だった。あのときの巨人は、巨人ファンはもちろんアンチにとっても、まさに特別なチームだったわけである。

 巨人がそういう特別なチームでなくなってどれくらいが経つだろうか。

 かつての松井や高橋監督に匹敵するようなスター選手は、ここ数年の巨人では全盛期の阿部ぐらいしかいない。確かに坂本勇人内野手や長野久義外野手も結果を残したが、それとて球界全体のレベルで言えば(例えば'15年のヤクルト・山田哲人やソフトバンク・柳田悠岐のような)スペシャルなものではなかった。

 彼らは人気者ではあるが、まだまだスターの領域に踏み入ったとは言いがたいのが現実である。その結果、ここ数年の巨人とは圧倒的な実力と人気を誇る中心選手が不在のチームだということだ。

【次ページ】 高橋新監督のテーマは優勝よりも再構築か。

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