フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER

初出場のメドベデワ優勝、宮原が2位。
ファイナルで見た、各選手のドラマ。

posted2015/12/16 11:30

 
初出場の宮原は大会後に「緊張しても落ち着いて演技ができ、自信になりました」「絶対に跳べる構成になっているので」とコメントした。

初出場の宮原は大会後に「緊張しても落ち着いて演技ができ、自信になりました」「絶対に跳べる構成になっているので」とコメントした。

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

 開催21回目となったGPファイナル女子で、16歳のエフゲニア・メドベデワが初優勝を果たした。昨年のジュニアGPファイナル、ジュニア世界選手権を制したメドベデワにとって、今季がシニアGPシリーズデビューだった。前年のジュニアGPファイナルチャンピオンが、翌年のシニアGPファイナルを制したのは、2005年/2006年シーズンの浅田真央以来のことである。

素晴らしかった浅田真央のステップ。

 その浅田真央は、今回7回目の進出を果たした。過去に4回この大会で優勝している浅田は、イリナ・スルツカヤとタイの記録を有している。

 SPでは3アクセルがきれいに決まり、次の3フリップ+3ループが回転不足の判定を受けたものの、流れとしては悪くないスタートだった。軽快なジャズのリズムにのったステップは素晴らしく、見ていて胸がすくようであった。「エレメントをやっていますというよりは、ダンスをやっているような感じで」と本人はイメージしているというが、まさにベテランの彼女ならではのステップだった。

 最後のルッツが1回転になってしまったのは勿体なかったが、それでも69.13のスコアが出たのは高い5コンポーネンツに加え、スピンもステップもしっかりレベル4を確保したからだった。

「NHK杯で悔しい思いをしたからこそ、この試合ではそういう思いをしたくないという気持ちで挑みました。ルッツの失敗はあったけれど、演技全体としてはまずまずだったと思っています」と演技後にコメント。SP後、3位につけた。

体調不良の中で見せたフリー『蝶々夫人』。

 だがフリーでは、出だしの3アクセルで転倒し、コンビを予定していたフリップが2回転の単独に。それでも直後には、このところ苦しんでいた3ルッツを意地で成功させた。ジャンプは不調だったものの、SPと同じくスピン、ステップシークエンスで全てレベル4を獲得したのは、彼女の持つスケートの基本技術がどのような体調でも揺らがないことを示している。だがフリー125.19、総合194.32で6位に下がった。

「理想としているのとは程遠い演技だったので、残念。(原因は)気持ちの部分だと思う。なかなか難しいなという気持ちはある。タイミングとリズム、自分の気持ちが合っていないかもしれない。できないとき、できるときがある中で、やらなきゃという気持ちが強すぎるのかもしれないです」

 演技後、残念そうな表情でそう語った。

 だが翌朝、彼女が胃腸炎の診断を受けて体調不良だったことが日本スケート連盟の発表によってわかった。エキシビションの出場を辞退し、すでに日本への帰途についているということだった。前日の演技後、一言もそれらしい言い訳をしなかったのは、いかにも浅田らしいことだった。

【次ページ】 宮原はSP4位からスタート!

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