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“出世レース”阪神JF、今年は混戦。
メジャーエンブレムが孝行娘になる!?

posted2015/12/12 08:00

 
“出世レース”阪神JF、今年は混戦。メジャーエンブレムが孝行娘になる!?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

新馬戦で33.8秒、その後の2戦も34秒台前半という上がりタイムはメジャーエンブレムの能力の高さを感じさせる。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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NIKKAN SPORTS

 2歳女王を決める第67回阪神ジュベナイルフィリーズ(12月13日、阪神芝外回り1600m、2歳牝馬GI)は、大混戦の様相を呈している。

 毎年同じことを言っているが、ウオッカ、ブエナビスタ、アパパネなど、このレースの勝ち馬には競馬史に残る名牝が名を連ねている。GIを「出世レース」と呼ぶのはおかしいのかもしれないが、過去10年で、出走馬のどれかが翌年以降GIを勝たなかった年が一度しかないのだから、そう呼んでいいだろう。

 のちのGI勝ち馬が出なかったのは2011年。不出走だったジェンティルドンナが翌年の牝馬三冠を勝ってしまったのだから、やむを得まい。

 今年の出走馬18頭に、来年以降牡馬ともやり合えるだけのタフさと、まだまだ強くなる伸びしろを感じさせる「未来の女傑」はいるだろうか。

2歳リーディングに立つダイワメジャーの孝行娘。

 筆頭候補はやはり、メジャーエンブレム(父ダイワメジャー、美浦・田村康仁厩舎)か。

 新馬、500万特別と連勝して臨んだ前走のアルテミスステークスでは1番人気に支持された。しかし、大外15番枠から出して行ったら、抑えが利かなくなってハナに立ってしまい、ゴール前で僅かに差されて2着に惜敗。マジメすぎるのか、燃えやすいのか、前に馬を置くことができないと突っ走ってしまうという欠点が出て、負けパターンを露呈した。が、それが本番ではなく、ステップレースで出たことは陣営としてはむしろ歓迎だろう。直線で何度か手前を替えていたのは、おそらく苦しかったからだ。それでも、先行した他馬が総崩れになるなか、最後まで踏ん張った力は並ではない。

 今回は理想的な2番枠を引いた。デビュー戦からずっと手綱をとっているクリストフ・ルメールが、欠点を消す乗り方をしてくるはずだ。

 12月9日現在、この馬の父ダイワメジャーが、2歳総合リーディング種牡馬争いで、ディープインパクトに1億円弱の差をつけてトップに立っている。父に初の2歳リーディング種牡馬の当確ランプを灯すことができるか、孝行娘の走りに注目だ。

【次ページ】 ダイワメジャー産駒は4頭、ディープ産駒は3頭。

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