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「Noch mehr!」という叫びの意味は?
3戦連続得点、香川真司好調の理由。

posted2015/08/28 17:10

 
「Noch mehr!」という叫びの意味は?3戦連続得点、香川真司好調の理由。<Number Web> photograph by AFLO

この日1点目のゴールをアシストしたギンターに飛びついて喜ぶ香川真司。今季はここまで絶好調、クラブもリーグで首位に立っている。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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 例えばリオネル・メッシは、アルゼンチン代表でプレーするときに比べてバルセロナでプレーするときの方が、相手ディフェンダーに与える怖さも、ゴールやアシストの数も増える。それは、バルセロナのチームメイトが彼の活かし方を熟知しているから、というのが大きな理由だ。そして同時に、チームとして機能しているなかで自らの良さを発揮する能力にメッシ自身が長けているから、でもある。

 香川真司もまた、ドルトムントがオッズ(ノルウェー)を7-2で退けたELプレーオフ2ndレグで、チームが機能する状態にあればあるほど自らの良さを出す選手であることを強く印象づけた。

 香川はこの日まで、4試合続けてスタメンに抜擢されている。ロイスやオーバメヤンがそれぞれ1試合ずつスタメンから外れているのに対して、ムヒタリアンやギュンドガンと並んで、香川はチームに欠くことのできない選手になっている。

 その間には、アウェーゲームに向けた長距離移動もあった。連戦の疲れについて問われた香川の表情はパッと明るくなった。

「こうやってフル出場で使ってくれることには本当に感謝ですし、僕はやっぱりフル出場を常に続けたいので。途中交代というのは避けたいですけど、昨シーズンはそれが多かった。トゥヘル監督がそういうところで使ってくれるからこそ、90分しっかりやりきらないといけないですね」

名誉の交代よりも、ピッチに立ち続ける方が好き。

 思い出されたのは、2010年の9月19日。KAGAWAの名前がドイツ中に知れ渡ったシャルケとのレビアーダービーで決勝ゴールを含む2ゴールを叩き込んだ試合のことだ。

 この試合に先発した香川は、後半29分にレバンドフスキとの交代を命じられた。当時のクロップ監督が香川をベンチに下げようと考えた理由は、その時点で試合の行方がほぼ決まっていたこと、ドイツに来て間もない香川に連戦の疲れをためさせないこと。そして試合で活躍した選手として、ドルトムントファンから拍手を浴びさせるためだった。

 しかし香川は、ベンチに下がったときに残念そうな表情を浮かべた。それを見たクロップ監督は、後日こう話している。

「長くプレーしたいというシンジの気持ちも考えてあげないといけない」

 グアルディオラがバルセロナの指揮をとっていた時期に、休まずプレーすることを希望するメッシの疲労や怪我の不安に頭を悩ませていたのと通じる部分がある。

【次ページ】 昨年はプレッシャーだったホームが、今は嬉しい。

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