スポーツ百珍BACK NUMBER
アメリカサッカーはほとんどWWEだ!
DJはミスを煽り、ピルロは老人扱い!?
posted2015/08/25 10:40
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
AFLO
眠らない街・ニューヨーク。
自由の女神にタイムズスクウェア、セントラルパーク……あらゆる娯楽が詰め込まれた“ビッグ・アップル”の市民にとって、スポーツ観戦もまた欠かせないものだ。
日本人の多くが真っ先に思いつくのは、田中将大を擁するヤンキースに、新庄剛志をはじめ多くの日本人選手が所属したメッツがあるMLBだろう。
他の4大スポーツであるNBA・NFL・NHLも、ニューヨークを本拠地にするチームが複数ある。それ以外にも、錦織圭が昨年準優勝を果たしたテニス・USオープンにゴルフ・全米オープン、そしてニューヨークシティマラソンなど、世界的スポーツイベントの宝庫だ。
そんなニューヨークで“新興勢力”の立ち位置なのがMLS、メジャーリーグサッカーだ。
デイビッド・ベッカム、スティーブン・ジェラード、ロビー・キーン、ティエリー・アンリにカカ。
'90~'00年代に欧州サッカー戦線の主役を張ったビッグネームの多くが、キャリアの晩年を過ごす地としてアメリカに渡っている。その流れを一層強めそうなクラブが、今年からMLSに参戦している。
ニューヨーク・シティFC。
ビジャ、ランパード、ピルロを相次いで獲得!
'13年、マンチェスター・シティとニューヨーク・ヤンキースが共同出資して設立されたという経緯からも“超富豪クラブ”の予感を漂わせていたが、その期待に応えるかのようにビッグネームをチームに呼び寄せた。
ダビド・ビジャ、フランク・ランパード、アンドレア・ピルロ。
ピークは過ぎたとはいえ、彼らを立て続けに獲得するのはまるでサッカーゲームの趣。話題先行に見える補強とはいえ、シティは人々の関心を集めることに成功した。
それはニューヨーク・シティのホームゲーム動員力を見ればわかる。ヤンキースの聖地であるヤンキースタジアムをサッカー兼用スタジアムとして使用しているが、毎試合かなりの人数を集めている。
今季のホーム開幕戦には43507人が詰めかけた。また6月29日に行なわれたレッドブルズとの「NYダービー」に集った観衆は48047人。ここまでリーグ戦13試合の平均観客数は28900人で、2万人を割り込んだ試合が一度もない。