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A代表経験で加速する遠藤航の成長。
思い出された“先代”遠藤の言葉。
posted2015/08/18 10:50
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
遠藤航がタフさと意識の高さを見せてくれた。
東アジア杯から10日に帰国し、翌日チーム練習に元気に参加、フルメニューを消化した。12日の清水戦にスタメンフル出場を果たしてチームの勝利に貢献し、16日の浦和戦もスタメン出場を果たしている。
日程的に一番キツいと思われた清水戦だったが、遠藤は「日本は涼しいし、グラウンドがよくて良かった」と疲れをまったく見せず、連戦の疲労の心配などどこ吹く風。
遠藤の連戦の強さは以前からだ。3月に行なわれたU-22リオ五輪1次予選でもマレーシアの高温多湿の中、中1日で全3試合に出場した。無尽蔵のスタミナと体の強さが遠藤のストロングポイントになっているが、ここに至るまでに、自分の体を見つめ直すキッカケが2年前にあった。
2013年2月J1に昇格したシーズン、遠藤は肉離れを起こして長期離脱を余儀なくされた。7月に復帰したが、11月にはまたケガで離脱し、チームはJ2に降格。その責任と痛い経験から体幹と筋トレなどで下半身を徹底的に鍛え、足の運び方、腕の使い方など体の使い方を改善した。食事にも気を使うようになり、ケガに強い疲れ知らずの肉体を作り上げた。
「ケガして、J1で戦うことに対して自分のフィジカルの足りなさを学んだ。それからケガしないように、タフに戦うことのできる体作りを意識してやってきました。それが今、生きていると思うし、これからもっとフィジカルを上げていきたいと思う」
「サッカーが好きでこの職業に就いているんで」
2014年、体作りを継続しつつ試合に出ることを自分に課し、レベルアップを果たした。連戦だろうが疲れようが、試合に出続けることの意義をその時実感したという。
「練習も大事にしないといけないですけど、自分はタフに試合を経験することで今まで成長することができた。それにサッカーが好きでこの職業に就いているんで、単純に試合でプレーできることは嬉しいし、楽しいんです」
実戦が自分を成長させてくれるので試合出場にこだわる。そのためにはタフな肉体が必要になるので、さらに鍛えていく。それらがうまく循環することで現在の遠藤が形成されてきたのである。