マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
甲子園出場の、無名のベストナイン。
この夏は清宮、オコエだけじゃない!
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/08/05 11:40
沖縄大会決勝で、糸満相手に完投した興南の比屋根雅也投手。球速はそこまでではないが、角度のあるボールは打者には打ちづらいことこの上ないだろう。
夏の甲子園大会の組み合わせが決まって、今年もいよいよ高校野球、まさに夏本番である。
全国の熾烈な予選を勝ち抜いて、甲子園に集まった49の代表校たち。今年は、甲子園でもおなじみの伝統校、実力校が例年より多く出場しているように思う。それだけに、高いレベルの苛烈な戦いが、この夏をさらに熱いものにしてくれそうだ。
7月のこのコラムで、「誰も知らない高校球児ベストナイン」と銘打って、まったく無名でも実力ならこの選手! という存在を、全国の予選からお伝えした。
次の9選手である。
投手・巽大介 (岩倉高/東東京/3年・183cm79kg・左投左打)
捕手・長谷川龍 (駒大苫小牧高/北海道/3年・178cm83kg・右投右打)
一塁手・漁大稀 (魚津工業高/富山/3年・172cm92kg・左投左打)
二塁手・高橋謙介 (山形南高/山形/3年・174cm68kg、右投左打)
三塁手・真崎涼 (入間向陽高/埼玉/3年・180cm80kg・右投左打)
遊撃手・一柳大我 (日本学園高/西東京/3年180cm82kg・右投右打)
左翼手・脇坂龍次 (九州国際大付高/福岡/3年・178cm80kg・右投右打)
中堅手・根来祥汰 (滝川二高/兵庫/3年・174cm68kg・右投左打)
右翼手・杉本京平 (中央中等教育学校/群馬/3年・172cm70kg・左投左打)
おかげさまで、巽大介投手と一柳大我遊撃手については、直後のスポーツ紙にプロ野球スカウトが予選を観戦した記事が掲載され、特に巽投手については、巨人はじめ数球団が、決定権を持つGM、スカウト部長みずから観戦して実力検分を行ったと伝えられた。
そしてさらに、九州国際大付高・脇坂龍次、滝川二高・根来祥汰の2人の外野手が、激戦区を勝ち抜いて、今年の甲子園にやって来た。
出場メンバーから選ぶ、誰も知らないベストナイン!
だからというわけでもないのだが、高校野球100周年と早稲田実業・清宮幸太郎ばかりが取り上げられて、あとは東海大相模の小笠原慎之介、吉田凌に、平沼翔太投手の敦賀気比の春夏連覇あるか……。それぐらいしか話題がない、みたいな印象の今大会に、そんなことは断じてありません! 興味深い選手たち、実はこんなにいますよ、ともう一度お送りする「誰も知らないベストナイン」。
今回は、甲子園出場メンバーの中から、必見の9人を挙げてみた。