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マンU今季の移籍戦略は大型&的確。
“真剣に”優勝を争う布陣が完成間近。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2015/07/20 10:40

マンU今季の移籍戦略は大型&的確。“真剣に”優勝を争う布陣が完成間近。<Number Web> photograph by AFLO

クラブ、代表であらゆるタイトルを総なめにしてきたバスティアン・シュバインシュタイガーの存在は、マンUにとって大きな力になる。

 昨季のマンチェスター・ユナイテッドについて、テレビ解説を務めるガリー・ネビルのような識者から一介のファンまでが認める事実が2つある。

 1つは、新監督ルイス・ファンハールの目標達成度が最低限だったこと。威風堂々の就任会見で「優勝」の2文字さえ口にした名将だったが、実際には首位チェルシーから17ポイントも離れた4位でCL復帰を果たすのが精一杯だった。

 もう1つは、チームの戦力不足。昨夏の大型補強にもかかわらず、新たに主力3、4名を加えなければ実際に優勝を争うことは難しいと理解されている。

 そしてこの2点は、肝心の指揮官とクラブ経営陣も認識しているようだ。その証拠に今夏の移籍市場では、単に積極的なだけではなく的を射た補強が進められている。選手の売買に関するファンハールの決断は、成績横ばいは絶対に許されないという就任2年目への覚悟を物語るかのようだ。

 最優先課題は「チームの腹筋」とも言うべきボランチの補強だっただろう。ファンハールは、中盤深部のメトロノームとしてマイケル・キャリックを高く評価しているが、開幕前に34歳になるベテランには故障が多い。

 昨季も、リーグ戦での先発は半数以下の16試合に留まった。しかも、厳密に言えばボール奪取ではなくボール捌きが最大の持ち味だ。フィジカルのあるマルアヌ・フェライニも、前方でターゲットマン役を任された時の方が効果的。能力と意識の両面で純粋に守備的なMFは、昨夏に加入したダレイ・ブリントただ1人という状態だった。

 キャリックとブリントが揃って欠場した昨季4月のチェルシー戦(0-1)、中盤の底を任されたのは、指揮官自身が「攻撃的に使いたい」と語っているアンデル・エレーラと、万能だが本職はFWのウェイン・ルーニーだった。この試合、マンUはポゼッションでは敵を圧倒しながら、速攻でペナルティエリア付近のスペースをつかれて敗れている。

75億円で大物ボランチをダブル補強。

 そこで来季に向けてファンハールが打った改善策は、合計約4000万ポンド(約75億円)でのバスティアン・シュバインシュタイガーとモルガン・シュネイデルランのダブル補強。シュバインシュタイガーは、年を追う毎に守備面での影響力を増してきた中盤の策士だ。8月で31歳になるが、古巣バイエルンとドイツ代表で主要タイトルを全て手中に収めてきた「勝者」としての経験値も持ち合わせている。

 シュネイデルランは、フランス代表でこそキーマンとは見なされていないが、サウサンプトンでは中盤の要となってきた。昨季後半、チェルシーと引分け(1-1)を演じた一戦でも、各紙でチーム最高となる10点満点中9点の評価を得ていたのが、見た目はスリムだが果敢にタックルを繰り返す25歳のボランチだった。

【次ページ】 シュネイデルランが、中盤の軸に?

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