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<なでしこ絶対エースの告白> 大儀見優季 「王者ではなく、挑戦者として」 

text by

日々野真理

日々野真理Mari Hibino

PROFILE

photograph byTaiji Yamazaki

posted2015/06/23 10:00

苦しみながらも欧州の強豪チームで研鑽を積み、
代表のエースとして4年間戦ってきた。彼女の目に、
今のなでしこはどう映っているのだろうか――。

なでしこジャパン、決勝トーナメント1回戦・オランダ戦を前に、
Number879号に掲載した大儀見選手のインタビューを全文掲載します!

 代表合宿の直前、大儀見優季は八丈島にいた。カナダW杯のメンバーである熊谷紗希、妹の永里亜紗乃と共に自主トレを行なうためだった。短期間ではあるが長友佑都のトレーナーも務める木場克己氏の指導の下、充実した練習を積むことができた。

 そして東京へ戻っていざNumberの取材というその日、何と悪天候で八丈島からの早朝の飛行機が欠航になってしまった。羽田へ行く便は1日わずか3便。それに次の便も飛ぶ保証はない。

 だが幸いなことに、筆者は自主トレの様子を取材しようと、大儀見と一緒に八丈島にいた。天気が回復し、飛行機が飛べるようになるのを祈りながら、ホテルのロビーでインタビューは始まった。

ヴォルフスブルクの1年で感じたものは「力不足」。

――W杯イヤーの今年1月、イングランドのチェルシーからドイツのヴォルフスブルクに移籍されました。'13年、'14年と女子CLを連覇した強豪ですが、今季はなかなか結果が出ませんでしたね。

「すべてのタイトルを獲ることを目標に掲げていながら、結局カップ戦しか優勝できませんでした。すべてが自分の責任ではないですが、力不足を感じたシーズンでした」

――何が原因だったのですか?

「新しくチームに加わったばかりなので、監督の信頼を得なきゃいけないし、チームメイトとの関係性も築かなきゃいけなかった。そこの段階で苦戦してしまいました」

――具体的にはどんな点で苦労しましたか?

「最終ラインの裏に飛び出したりしても、オフザボールの動きでDFを振り切っても、それを見てくれなかったり。そうなるとどうしてもフィニッシュの精度も欠いてしまう。上手い選手が多いから自分で出来ちゃうというのもあるんですが、個の強さが同じようなレベルのチームと当たった時には、連携の質の高さが必要になりますからね。来季はそこを磨いていきたいです」

【次ページ】 結果には繋がらなかったが、成長は感じられている。

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