あやとは、話をしなくてもパス一つで会話できる。

――そういったことは試合中に他の選手と話したりしますか？　例えばキャプテンの宮間あやさんとか。

「あやとはそこまで話はしないけど、パス一つで会話できるというか」

――そういった信頼関係がある。

「そう。イメージがずれてもすぐに修正できる関係にはある」

――アイスランド戦で4－2－3－1のトップ下という近い位置に宮間さんがいた形は、やりやすかったのではないですか？

「彼女がボランチの時は活かしてあげられなかったけど、一つ上のポジションだともっと良さを引き出せる。前線に2人ボールを持てる選手がいると他の選手も楽になると思うし、効果は結構ある。W杯でもお互いが活きる距離でプレーしたいです」

ここ最近、「なでしこは舐められてるな」と思う。

――そして、今回のW杯には妹の永里亜紗乃さんも代表に選ばれていますね。

「姉としては素直に嬉しかったですよ。昔からもっと頑張って欲しいと思っていたのですが、精神的にまだ弱い部分もあった。それが一昨年ポツダムに移籍して、試合に出られない悔しさ、自分のことを理解してもらえないもどかしさを経験して強くなった。私も何度もケツをひっぱたいたし。　でも彼女に限らず、監督が選んだ23人は、誰がピッチに立っても、最後まで戦い抜ける選手だと思います」

――前回王者として臨むことになりますが、そのあたりは意識しますか？

「むしろここ最近、『なでしこは舐められてるな』って思うんですよ」

――優勝直後の、どのチームも日本を倒そうとしてきたのとは違う？

「全く違う。あの頃は相手が日本をリスペクトし過ぎていた部分もあった。だからドイツW杯の前の時のような感じです。今は周りもあんまり期待していないだろうし（笑）。私たちは自分たちからぶつかっていく挑戦者です。だから逆にやりやすいと思います。相手も油断してるだろうし」

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