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西武3連勝を導いたサブマリン牧田。
好投を生んだ「開幕投手」の昂揚感。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/03/31 10:35

西武3連勝を導いたサブマリン牧田。好投を生んだ「開幕投手」の昂揚感。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

開幕戦で勝利を手にし、ファンとウイニングタッチをしながら球場を去る牧田和久。2014年はプロ入り以来最も悪い防御率を記録した。逆襲のシーズンに期するものは大きいはずだ。

 西武の2015年シーズン。開幕前、その船出は難航が予想させていた。

 3月21日のDeNA戦。エースの岸孝之が左脇腹に炎症を起こしてしまったことで、開幕投手を回避せざるを得なくなったのだ。

 エースの離脱。窮状のなか田邊徳雄監督が“代役”として開幕投手に任命したのが、岸と同じく西武のローテーションを支えてきた5年目のサブマリン、牧田和久だった。

「経験豊富なお前に開幕投手を託したい」

 岸に異変が起きた翌日、指揮官は監督室に牧田を呼び、大役を直接告げたという。

「顔は引き締まっていた」。田邊監督は牧田の様子をそう説明する。

 だが、牧田本人は「プレッシャーはありませんでした」と、自身初の開幕投手という責務を彼なりに受け入れていた。

「開幕戦は特別な場所だけど、気負っても意味がない」

「開幕戦は特別な場所ですけど、だからといって気負っても意味がないというか、そう思ってしまうと気持ちが窮屈になってしまうから。『自分の力以上のものを出そう』と思ってしまうとダメなんで。先発だと1シーズンで27試合くらい投げるんで、この1試合だけを意識しないように。今までやってきたこと、今やれることをしっかりと試合で出すことができれば、結果はどうであれ納得できるはず。開幕戦は独特の雰囲気がありましたけど、そういう気持ちで投げられたことがいい結果になってくれたんだと思います」

 3月27日のオリックスとのオープニングゲーム。今季のオリックス打線は、糸井嘉男、T-岡田、中島裕之、小谷野栄一、ブランコらが並ぶ、12球団屈指の強力打線と言われている。牧田はその相手に対し、コーナーへ丁寧にボールを投げ分けて的を絞らせなかった。7回無失点。1-0で逃げ切ることができたのは、牧田の好投があったからこそだった。

「急遽、牧田に開幕投手として投げてもらうことになりましたけど、本当にナイスピッチングだった。プレッシャーがかかっているなかでも彼らしいピッチングをしてくれた」

 田邊監督は試合後、いの一番に牧田のパフォーマンスを称え、こう続けた。

「オリックスに勝ったのは大きいよね。去年は開幕3連敗で嫌なスタートだったから、先に勝って(開幕カードの)勝ち越しの権利を得られてよかった」

【次ページ】 西武の53年ぶり開幕3連戦3連勝を後押しした。

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