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東京五輪で金30個を目指す強化プロジェクトが始動。
~お家芸以外でもメダルラッシュを~ 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2015/03/15 10:30

東京五輪で金30個を目指す強化プロジェクトが始動。~お家芸以外でもメダルラッシュを~<Number Web> photograph by KYODO

2月15日に開催された20km競歩の日本選手権では、外国人コーチによる分析も行なわれた。

 '20年東京五輪での“日本勢ゴールドラッシュ”を目指し、既存のメダル獲得種目以外から有望なアスリートを発掘し、育成・強化を進めようという国の取り組みが本格的に動き始めた。

 スポーツ基本計画に掲げる金メダル獲得ランク世界5位以上に相当する「金メダル25~30個、メダル総数70~80個」を獲得するため、文部科学省は'14年度新規事業として「2020ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト」をスタート。昨年12月には当事業を委託された日本スポーツ振興センター(JSC)が「ジュニア・ターゲットスポーツ」として6競技9種目(卓球男子、テニス男女、トライアスロン女子、競泳男子自由形、陸上男女競歩、ライフル射撃男女)を選定した。

 世界5位相当のメダル数は、史上最多の38個だったロンドン五輪の2倍で、金は7個だったロンドンの約4倍。JSCスポーツ開発事業推進部の阿部篤志氏の「これまでのメダル獲得種目だけを育成・強化していてもメダル数は増えない」という説明に頷かない人はいないだろう。

競歩は外国人コーチを招聘し、いち早く動きを見せた。

 そこで考えたのが、お家芸以外の種目でメダルを増やすことだった。JSCではロンドン五輪のメダル総数962個の内、全体の63%に相当する605個を「メダルポテンシャルアスリート(MPA)=五輪直近の世界大会8位以内経験者」が獲得したこと、また、メダル総数上位5カ国の平均MPA数が141人であるのに対し、日本は約80人と少ないことに着目。MPAを可能な限り増やすというミッションを設定して事業を推し進めると同時に、育成・強化システム構築の世界的エキスパートであるカナダ人のロジャー・ジャクソン氏らとのネットワークを強め、足元を固めた。

 初年度予算が約1億8000万円という本事業。動きはすでに現場レベルに及んでいる。例えば競歩。動作解析などスポーツ科学の研究では先端を行く日本陸連だが、それをいかに現場指導に繋げるかという課題認識を持っており、海外からコーチを招聘したいというプランがあった。これが新たなチャレンジをしたいと考えていたJSCの思惑と合致。外国人コーチを招聘し、現場へフィードバックするという取り組みが始まっている。

 東京五輪まで5年。ゴールドラッシュを実現するためのプロセスにも注目だ。

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