NumberEYESBACK NUMBER

完璧ではない審判と上手く付き合う方法。
~相手も人間、反発よりも……~ 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2015/03/04 10:05

アジア杯で本田と主審の間に割って入るキャプテンの長谷部。

アジア杯で本田と主審の間に割って入るキャプテンの長谷部。

 2008年の北京五輪で日本代表を率いた星野仙一監督の最大の失敗は、審判団を敵に回してしまったことだった。

 初戦のキューバ戦で判定に猛抗議。もちろん選手を守るための抗議であったが、ここにはそんな姿を見せてベンチの結束を固めようというパフォーマンス的側面もあったはずだ。ただ、審判にはしつこい抗議は侮辱としか映らなかった。これをきっかけに審判団から日本代表は睨まれ、ことあるごとに厳しいジャッジを受けることになってしまった。

「あんな判定、選手が可哀想や!」

 3位決定戦で米国に敗退後、星野監督がこうつぶやいたのが印象に残る。ただ、その背景には自らの行為が無関係ではなかった。

本田、白鵬……ジャッジへの言及が問題視された。

「まるでバスケットボールみたいだった」

 先ごろ行われたアジアカップのパレスチナ戦後に、日本代表FW本田圭佑のこんな発言が物議を醸したのも記憶に新しい。接触プレーにすぐ笛を吹くカタール人の審判への感想だったが、これを問題視したアジアサッカー連盟は、本田に5000ドルの罰金を科した。

 本人は特に強い意識をもってこの発言をしたわけではないだろうが、審判は自らのジャッジに対する発言には非常に敏感である。思った以上に過敏に反応して、連盟もそれをサポートしたわけだった。

 大相撲では初場所で大鵬の記録を破る33度目の幕内優勝を飾った白鵬の発言が問題視されている。

 13日目の稀勢の里との取り組みが取り直しとなったことに「自分が勝っていた。子供が見ても分かる」と厳しく批判。その言葉にはいくら結果を残してもモンゴル出身、外国人力士への差別感など複雑な背景を指摘する声もある。

 ただ、この発言に北の湖理事長が苦言を呈し、問題は“横綱の品格”にまで発展した。前人未到の大記録を祝福するどころか、メディアとのバトルは未だに続いたままである。

【次ページ】 松井秀喜が大リーグ時代に話した“飲み込める”心。

1 2 NEXT
1/2ページ

ページトップ