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新球スプリットに挑む、大瀬良大地。
広島の次世代エースが戻る原点とは? 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/02/19 10:45

新球スプリットに挑む、大瀬良大地。広島の次世代エースが戻る原点とは?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

自主トレを前田健太と共に過ごした大瀬良。黒田博樹、前田という偉大な先輩と共にタイトル争いを演じられるか?

「去年はすごく長く感じましたけど、今年はあっという間って感じですね。それだけ充実しているのかな、と思います」

 日南での一次キャンプを終える頃、広島の大瀬良大地は満足げに語った。

 ルーキーイヤーの昨年、大学時代よりも始動が早いプロのキャンプに最初こそ戸惑いを見せていたが、それでも「今まではこの時期にそこまで投げていなかったんで」と、投げ急ぐことなく良好なコンディションを保つことができた。シーズンも開幕から2カ月で5勝。その滑り出しは、自身が大型新人であることを証明させるには十分だった。

 ところが、6月から白星のペースが急激に落ちた。それから4カ月あまりでわずか5勝。最低限の目標である10勝をマークし、阪神とのCSファーストステージ第2戦で7回無失点の好投を演じたのは評価できた。しかし、初めて1年間ローテーションを守り抜く難しさを痛感したのも事実だった。

勝負の2年目は新球スプリットを新たな武器に。

「年間を通して自分の調子で投げられるようになりたいです」

 契約更改交渉の会見で、大瀬良は自らの課題をそう述べた。

 シーズンを安定したコンディションで投げ続けられるのはいくつもの理由がある。エースの前田健太のように、先発として何年もローテーションを守り抜いてきた経験、そこから養われていく知識やトレーニング法……。

 しかしながら、大瀬良はまだ2年目の投手である。いきなり答えを求めてもすぐに出てくるわけではない。

 強いて効果的な解答を挙げるとすれば、投球の幅を広げることだ。

 大瀬良にとって、そのために必要となるのが新球の習得。スプリットを覚えることだった。

 スライダー、カーブと横に変化する球種をメインに操る大瀬良にとって、落ちるボールが加われば投球の幅は確かに広がる。

 昨秋のキャンプから今年の自主トレにかけてスプリットを試し、そして春季キャンプでは、より実戦的な手応えを掴むべく臨んだ。

 初日からブルペンに入り80球以上、7日はフリー打撃に登板し、9日はブルペン、10日は再びフリー打撃登板と、キャンプが進むにつれ投げ込む頻度も増えてきている。13日のブルペンでは、「スプリットに関しては今日が一番よかったです」という本人の言葉からも分かるように、その精度は日に日に増しているように感じられた。

【次ページ】紅白戦で試したスプリットはわずか4球のみ。

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