フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
四大陸フィギュア、日本勢は苦杯。
優勝デニス・テンは五輪の金目指す。
posted2015/02/16 11:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
REUTERS/AFLO
韓国のソウルで開催されていた2015年四大陸選手権。
2月14日の男子決勝では、カザフスタンのデニス・テンがSP1位からトップを保ち、初タイトルを手にした。SPで1回、フリーで2回の4回転トウループをきめて、フリー191.85、総合289.46ともに歴代3番目に高いスコアを叩き出した。
ソチ五輪銅メダルから一周年だったテン。
テンは優勝会見で、「ソチ五輪で銅メダルを取ってから、今日でちょうど一周年。良い形で祝うことができました」と口にした。
フィギュアスケートではカザフスタン出身の選手として、初めての五輪メダルだった。そして1年後のこの四大陸選手権で、やはりカザフスタンの選手として初タイトルを手にしたのである。
2年前、無名選手から一躍世界銀メダリストへ。
テンがいきなり頭角を現したのは、ソチ五輪の前年のことだった。
2013年3月にカナダのロンドンで開催された世界選手権で、フリー1位、総合では惜しいところで2位になったのである。
ジュニアのころから才能があると言われてはいたものの、それまでGP大会でメダルを手にしたこともなかった彼が、あと少しでパトリック・チャンを破りそうになったことに、誰もが驚いた。
だがその翌年は体調を崩してスケートアメリカを棄権し、中国杯は4位。ソチ五輪ではSP9位という厳しいスタートをきりながら、フリーで総合3位まで上がってメダルを手にしたときには、再び関係者たちを驚かせた。