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免許を持たないF1ドライバー誕生!
17歳・フェルスタッペンに議論沸騰。
posted2015/01/31 10:40
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
3月13日に開幕するオーストラリアGPで、史上最年少F1ドライバーが誕生する。
そのドライバーの名は、マックス・フェルスタッペン。'90年代半ばから2000年代前半にかけて、ベネトンやアロウズ、ティレルなどでレースをしていたヨス・フェルスタッペンの息子である。
F1の史上最年少記録は、2009年のハンガリーGPでトロ・ロッソからデビューしたハイメ・アルグエルスアリが持つ19歳125日だった。1997年9月30日生まれのオランダ人であるフェルスタッペンは、現在17歳。大幅な記録更新となる。
選手の若年化は、モータースポーツに限った話ではない。テニスや卓球、フィギュアスケートでは、10代前半の選手がシニア顔負けのプレーや技を披露して、大会を盛り上げるケースが日常化している。フェルスタッペンも昨年はFIAヨーロッパフォーミュラ3選手権に参戦して、1年目ながらシリーズ3位の座を確保。非凡な才能を見せていた。
自動車免許はないが、ライセンスは無事取得。
ただし、モータースポーツにはほかのスポーツと違う点がひとつある。
自動車を運転するという行為には、ある一定の年齢を超えないと許されないという制限がある。もちろん、一般的に公道で自動車を運転するという行為とモータースポーツでマシンを走らせるという行為は似て非なるもので、競技に参戦するために必要なライセンスを競技団体から取得していれば、無免許の少年でもレースには出場できる。
母国オランダでは18歳にならないと自動車の運転免許が取得できないため、フェルスタッペンはまだ公道では運転できない。だが、FIA(国際自動車連盟)が発行するライセンスを所持してレースを行ない、そこで一定の成績を収めたことで、F1を走らせるために必要なスーパーライセンスを問題なく取得した。運転免許を持たずとも、然るべき段階を踏んで、F1への切符を手にしたのである。