SCORE CARDBACK NUMBER

ドライバー交替に見る'15年の“新・勢力地図”。
~刷新か継続か、対照的なF1戦略~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

photograph byAFLO

posted2015/01/20 10:00

2010~2013年に4連覇したレッドブルから、ベッテルは「憧れのチーム」のフェラーリに移籍。

2010~2013年に4連覇したレッドブルから、ベッテルは「憧れのチーム」のフェラーリに移籍。

 '15年シーズンは、昨年の11チームからマルシャとケータハムが消え、9チームがエントリーの予定だ('14年12月24日現在)。グリッドに並ぶのは18台。ここまで減るのは'70年前後以来である。

 今オフ最大の話題は、アロンソのマクラーレン加入と、ベッテルのフェラーリ移籍という“大物移動”だったが、ドライバーコンビを替えたのは計5チーム。

 レッドブルは2年目のリカルドに加えて新鋭クビアトをトロロッソから昇格させ、若き「タレント路線」にシフトした。フェラーリはライコネンを残してベッテルと契約し、王者を揃えた。マクラーレンもアロンソとバトンの王者コンビで、両名門ともに「スター路線」を選んだ。

 中位チームではトロロッソが思い切った刷新を決断し、17歳のM・フェルスタッペンと20歳のC・サインツJr.の新人コンビを起用。合わせて“37歳”という「ニュー・ボーイズ路線」だ。ザウバーも新人F・ナッサーとエリクソンが加入した。財政面で苦しむチームだけに「マーケティング路線」に踏み切ったと言える。両者とも10.15億円規模のスポンサーを持ちこみ、シートを得た。

メルセデス・パワーユニット系の4チームは継続路線。

 一方、ドライバーを替えなかった4チームは、ともにメルセデス・パワーユニット系なのが興味深い。19戦16勝で席巻した2冠王のメルセデスがハミルトンとロズベルグのまま「防衛路線」を選んだのは必然的で、2人とも移籍市場に加わらず年俸アップを勝ち取った。コンストラクターズ3位に浮上した古豪ウイリアムズは昨年9月7日、早々にマッサ、ボッタスと契約更改。その裏には評価の高いボッタスをキープし、ベテラン格のマッサとともに、今季への「タイトルチャレンジ路線」の覚悟が窺える。

 結成7年目で最高155点を獲得した6位のフォースインディアも現状維持。メキシコGP復活開催に合わせて同国出身のペレスを保持し、自身最高ランク9位のヒュルケンベルグで続行だ。8位と低迷したロータスもグロージャンとマルドナドが残留。パワーユニットをルノーからメルセデスに変更するだけに継続性を重んじたためで、両チームとも「ランクアップ路線」だ。こうしてみるとメルセデス勢が“ライバル包囲網”を整えた格好。この新・勢力地図のもと、2月1日から新マシンのテストが開始される。

関連コラム

ページトップ